エロすぎる海の生き物たちに、思わずニヤニヤしてしまう・・・

魚はエロい 瓜生知史著
魚はエロい 瓜生知史著
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 「魚」と「エロ」。ありふれた言葉のありえない組み合わせが、見事なまでに海の生き物の魅力を最大限引き出し、我々人間に「生きるとは何か?」という素朴な問いを投げかける作品となっている。オールカラー版で擬人化されたわかりやすい解説がうれしい。

 著者は水中カメラマンでもあり、『日本産魚類生態大図鑑』など多くの図鑑を編集、取材協力をしてきた瓜生知史氏。人気バラエティー番組で「エロイ水中生物」を解説する機会があったのだが、著者が持ち込んだ番組用の素材は「エロすぎて放映できません」と担当ディレクターに苦言を呈された。こうした経緯もあり、番組内では吟味された比較的、おとなしい映像が使われたのだが、本書では、このとき「エロすぎて」放映できなかった魚や水中生物が多数紹介されている。

 それでも「半分くらいはエロくない、まじめな記述」と述べる著者だが、読み手が恥ずかしくなるほど、実にエロく生々しい。ここで紹介することがためらわれる、もしくは紹介できない言葉も数多く使用されていて、「どうしてこんなにエロイのか?」とドキドキしてしまう。魚の生態行動が、あっけらかんと人間のエロイ行動の話に派生していくのだ。

 まったり求愛するウツボ。生殖器を2本持ち、メスを追いかけまわして噛みつき交尾をするサメ、メスの顔めがけて放尿する変な性癖を持つメバル、性転換するクマノミ。クマノミについては、某有名映画で生態系の視点から解説されており、ファンタジーな映画が子どもには衝撃的すぎる内容となるためR18指定が必要となりそうだ、と記述されている。その描写は大人にとって実に興味深い。

 求愛、交尾、産卵……。単なる図鑑、解説本にとどまらない、海に暮らす生き物たちの「けしからん」ロマン。これまで魚に興味などなかったという人ほど夢中になれると言っても過言ではない。この衝撃的なタイトルと内容は読み手を裏切らない。ぜひ、背表紙買いしていただきたい作品だ。


出版社:光文社
書名:魚はエロい
著者名:瓜生知史
定価(税込):842円
リンク先:http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334039387


西日本新聞 読書案内編集部

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