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リタイアしたら片づけよう、では遅い!老後の住まいについて考える

案ずるより、片づけよう 住まいの老い支度 阿部絢子著
案ずるより、片づけよう 住まいの老い支度 阿部絢子著
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 近年、エンディングノートなど老いをテーマにした出版物が多数見られ、また片づけ・収納に関するジャンルも人気を保っている。では、老いてからの収納や住まい方はどうあるべきかということを扱ったのが本書である。多くの人が「仕事をリタイアして、ひまになったら片づけよう」と考えているが、そう簡単にはいかない。著者は、忙しくても50代のうちから着手するのが望ましいと言う。

 「もし無為無策に70代を迎えてしまった時は、どんなに娘や息子たちが騒いでも、『あきらめた!』を決め込み、『あとはお願い』と言ってしまうのもありだと思います」

 これは体力の問題だけでなく、年を取ると、気力・集中力がつづかなくる。60歳を過ぎると、ひとつひとつの動作も遅くなる。40~50代とおなじようなつもりでいると、大きく予定が狂ってしまうというわけだ。

こうしたことを著者は自身の体験を交えながら、合理的に諭していく。生活情報アドバイザーとして著作・講演活動をしている著者は「家の片づけ」の相談も受けるそうで、実際に訪問してアドバイスしている。

 ある94歳と85歳の夫婦は持病を通院治療しているのだが、2階の寝室を下に移そうということになった。当然、そこにある荷物を動かさなければならない。一部屋空けるのがどれだけの重労働か、それを老夫婦でやろうというのだ。けっきょく、ベッドを置くスペース以外は片づけきれず、奥さんがトイレに行くとき転倒して骨折してしまったという。

 他にも具体例が収められているので、まだそこまで危機感をもっていない人が読んでも、自分のことのようにイメージしやすい。年を取っても、他人に迷惑をかけることなく、身の回りのことは自分ひとりでやりたいと思っているなら、住まい方についても考えておかなくてはならない。

 実際のノウハウについては、写真や図も用いてわかりやすく説明されている。もっとも、本書の読み方はそれだけではない。住まい方について考えることは、これからの人生に必要なものはなにか、見つめ直す作業でもあるのだ。そういう意味では、老いが現実になってきた世代だけでなく、もっと若い世代にも目を通してもらいたい内容となっている。


出版社:講談社
書名:案ずるより、片づけよう 住まいの老い支度
著者名:阿部絢子
定価(税込):1,404円
税別価格:1,300円
リンク先:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062206235


西日本新聞 読書案内編集部

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