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恋愛に興味がないのは「傷つきたくない」から!?アドラー心理学で解く恋愛・結婚論

男と女のアドラー心理学 岩井俊憲著
男と女のアドラー心理学 岩井俊憲著
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 アドラー心理学といえば、『嫌われる勇気』がベストセラーになったあたりから、関連書が数多く出版され、雑誌でも特集され、ブームの様相を呈している。本書は男女関係を中心とした応用編だ。

 著者はアドラー心理学にもとづくカウンセリングを三十数年おこなってきて、とくに夫婦カウンセリングを得意としている。

 若者の恋愛離れやセックスレスのカップルといったことが社会問題となって久しいが、どうしてそういうことが起こっているのか、また、どのように対処すればいいのか。そうしたことをアドラー心理学的な観点からアドバイスしている。

 といっても、アドラー心理学の詳細を知らない、あるいは、「嫌われる勇気」といったタイトルから勝手に誤解している人もいるだろうから、簡単に解説しておく。アルフレッド・アドラーは「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」とした心理学者で、その基本精神は本書の冒頭で著者が述べている次の言葉によくあらわれている。

 「誰かを好きになったとき、相手から拒絶されたら傷つきますが、それは『万人に愛されたい』という願いがあるからです。その幻想を捨てれば、『誰からも愛されない』ということはありえません」

 つまり、誰にでもいい顔をしようとすると、かえって誰からも好かれないということだ。その理論を土台にしつつ、本書では10のケースを糸口に男女の仲について論じている。

 序章こそ長めの手記(半ノンフィクション)が収められていて、立ち読みした人は少し重い本かなと思うかもしれない。しかし、実際の内容は、企業の研修講師の顔ももつ著者が読者を飽きさせないよう縦横に話題をくり出してくるという感じだ。ケースとして紹介されているものも「計画的な男、自由気ままな女」にはじまり、巷を騒がせた殺人事件や最近話題になったドラマのセリフまで幅広い。本書の特徴は、そうした事例にまで解決策を明示しているところだ。

 また、男女の差というと、近年のもうひとつの流行である脳科学が引き合いに出されることが多い。けれども、この著者は、それだけでは解明できない部分に迫ろうという意欲をもっている。脳科学好きの読者が読んでも得るところがあるはずだ。


出版社:青春出版社
書名:男と女のアドラー心理学
著者名:岩井俊憲
定価(税込):1,512円
リンク先:http://www.seishun.co.jp/book/19172/


西日本新聞 読書案内編集部

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