秀才を育む親とは?家庭とは?幼少期の子育てで最も大切な事がわかる本

『3男1女東大理Ⅲの母 私は6歳までに子どもをこう育てました』佐藤亮子著
『3男1女東大理Ⅲの母 私は6歳までに子どもをこう育てました』佐藤亮子著
写真を見る

 いったいどうすれば、3男1女、4人もの子ども全員を東大、しかも理Ⅲ(医学部)に合格させることができるのだろう。子どもを持つ親なら、誰もがその秘訣を知りたいと思うに違いない。

 本書は、そのさまざまな教育方法を披露してくれるカリスマ「お受験ママ」として人気の著者が、まだ受験とは関係のない6歳までの子育てについて語った本だ。

 その子育て法は、意外なことにかなり「ゆるい」。家事など手を抜けるところはできるだけ抜く。欲しがるおもちゃはなんでも与え、お手伝いはさせない。スイミングを嫌がる子が水に入れるようになるまで3ヶ月かかろうとも、ただ待つだけ。公文の宿題プリントは子どもが自分で書くようになるまで代わりに書いてしまう・・・など。

 目いっぱい甘えさせるという独自の子育て論。ただし、必要な生活習慣は徹底して教え、子どもからは決して目をそらさない。著者は言う。「子どもと過ごす時間がこころの底から楽しく、子どもがかわいくてかわいくて仕方なかった!」と。

 子育ては本当に大変だ。振り回され、自分の時間はおろか身の回りのことをする時間さえないことも。しかしそこで自分のペースを少しでも守ろうとすると、どこかしら子どもに我慢をさせてしまうことになる。

 だから著者は、きっぱり覚悟を決めたのだ。面倒なこともすべて「子育ての醍醐味」だと受け入れ、自分のことは封印して子ども最優先で過ごす。その根底にあるのは、何より子どもを常に楽しい気持ちでいさせようという意識。そのために自分自身も100%の笑顔で子育てを楽しみ、愛情をたっぷり注ぎ、濃密なコミュニケーションを心がける。結果、子どもは安心して自信がつき、すべてにおいて意欲が生まれるのだ。

 その自己肯定感は、きっとその後の人生を切り拓いていくうえで最も重要で何にも代えがたいもの。幼少期はそれを育む大切な時間なのだが、実際にはほとんどの親は毎日がてんやわんやでそれどころではない。だから、その渦中にありながらその大切さに気づき実践できたところが著者の凄さなのだと思う。

 もちろん教育方針には賛否両論あるだろう。東大に入ったからといって必ずしも幸せな人生が送れるとは限らない。しかしなにより本書は、お受験以前の”人間の根っこの育て方”について考えさせてくれる。これから親になる人はもちろん、子どもに関わるすべての人に、ぜひ読んでほしい一冊だ。"


出版社:中央公論新社
書名:3男1女東大理Ⅲの母 私は6歳までに子どもをこう育てました
著者名:佐藤亮子
定価(税込):1,404円
税別価格:1,300円
リンク先:http://www.chuko.co.jp/tanko/2018/04/005074.html

 西日本新聞 読書案内編集部

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]