クアラルンプール(マレーシア)(下) 歩けば なるほど 親日の国

夜景が美しいペトロナス・ツインタワー。建物の一つは日本企業が建設した
夜景が美しいペトロナス・ツインタワー。建物の一つは日本企業が建設した
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東京ストリートの大きな看板が目立つパビリオン
東京ストリートの大きな看板が目立つパビリオン
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東京ストリートでは華道池坊の会員による生け花教室が開かれ、大勢のマレーシア市民でにぎわっていた=7月
東京ストリートでは華道池坊の会員による生け花教室が開かれ、大勢のマレーシア市民でにぎわっていた=7月
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大きなエビが盛られたソーキーミーのエビそば
大きなエビが盛られたソーキーミーのエビそば
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シティーギャラリーにある「I〓KL」の看板は、観光客の人気の撮影スポットになっている ※〓はハートマーク
シティーギャラリーにある「I〓KL」の看板は、観光客の人気の撮影スポットになっている ※〓はハートマーク
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福岡-バンコク-クアラルンプールを結ぶタイ国際航空の機体
福岡-バンコク-クアラルンプールを結ぶタイ国際航空の機体
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 マレーシアはかつて、マハティール首相が「ルックイースト政策」を掲げ、日本の経済発展に学んで成長を続けてきた。今年は日本と外交を樹立して60周年の節目に当たる。首都クアラルンプールで、この国に根付く「日本」を探した。

 車は右ハンドルが多く、左側を走っている。通りでは、見慣れたコンビニやファッションブランドの看板が目につく。交通体系も街並みも、驚くほど日本に似ている。

 市内中心部に入ると、眼前に「ペトロナス・ツインタワー」(452メートル)が飛び込んできた。1998年に完成したマレーシアのランドマークで、天を突く巨大な2本の光の塔は、経済成長の象徴だ。

 タワー1は、日本のゼネコン「ハザマ」(現安藤ハザマ)が施工したという。ツインタワーと直結する複合ショッピングモール「スリアKLCC」には、約270のテナントが入り、紀伊国屋や伊勢丹といった日本企業も名を連ねている。

 この国の歴史を知ろうと、シティーギャラリーへ。マレーシアが他国に統治された時代や、57年に独立した経緯などを写真パネルで詳しく紹介している。

 マレーシアは41~42年の2年間、日本に統治された。太平洋戦争の開戦日の41年12月8日、日本軍はマレー半島コタバルに上陸。各地の連合軍と戦いながら半島を南下し、翌年2月15日にシンガポールを陥落させた。マレーシアの国民も戦争の犠牲者になった。

 ただ、こうした戦争の歴史について、マレーシアの学校ではあまり詳しくは習わないという。「植民地時代や戦争について語る人は、ほとんどいません。過去を振り返るより前を向くことの方が大事だからです」。案内してくれたマレーシア人の曾永興(チャンエンヘン)さんが語った。

 親日的な国民が多いというマレーシア。クアラルンプール一の繁華街、ブキッ・ビンタンにある「パビリオンクアラルンプール」には、親日ぶりをよく表すフロアがある。その名も「東京ストリート」だ。

 2011年にオープンし、ラーメン店や貴金属店、100円ショップまで軒を連ねる。通路にはサクラの造花や、大きなちょうちんが飾られている。訪ねた日は、特設会場で華道池坊の会員による生け花教室も開かれていた。近年、生け花をたしなむマレーシア人が増えているという。

 「日本人もよく行くエビそばの食堂があるんです」。マレーシア政府観光局の職員に言われ、最後の夜の食事は、インビー通りの「ソーキーミー」へ行った。店の名物は、20センチを超える大きなエビをのせたあんかけそば。パリパリした揚げ麺に濃厚なエビみそのソースが絡んで、癖になる味だった。

 調理するホン・ジェシカさんによると、店は父親の代からで、1940年ごろの創業。ホンさんは日本が好きで毎年、遊びに行っている。日本人の観光客も来店する。「でも日本のお客さんは減っている。私は日本語が好きなので、もっと話したい」。ホンさんが日本語で一生懸命に話してくれた。

 ●メモ

 炎熱の暑さのクアラルンプールでは、外を歩いて巡るのは大変。かといって、タクシーではひどい渋滞に巻き込まれることも。そんな時、中心部のブキッ・ビンタンで便利なのがペトロナス・ツインタワーとパビリオンやホテルを結ぶ「ブキッ・ビンタン歩道橋」だ。

 この歩道橋は室内型で冷房が効いており、暑さをしのぐことができる。警備員もおり安全性も確保されている。無料で、通行は午前6時~午後11時。

 ●福岡-クアラルンプールが9~10時間 タイ国際航空

 現在、福岡空港からマレーシア・クアラルンプールへの直行便はない。福岡空港から出発したい旅行客にお勧めしたいのが、タイ国際航空のタイ・バンコク経由便だ。

 創立57周年を迎えたタイ国際航空は、1992年からバンコクと福岡を結ぶ便を就航し、現在は毎日運航している。バンコク経由でクアラルンプールまでの所要時間は9~10時間。週末に出発し、月曜の朝に福岡空港に戻ることができる便があり、金曜の夜に旅行に出て、月曜にそのまま出勤ということも可能だ。

 タイ国際航空は、英国の航空業界専門の調査会社である「スカイトラックス社」が行った調査「ワールド・エアライン・アワード2017」で機内サービス、機内食など3部門で世界一に選ばれた。


=2017/10/02 西日本新聞=

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