社外セクハラ「私も」被害や怒りの声 枕営業要求や抱きつき… 取り合わない上司、自分を責める女性も

 福田淳一財務事務次官によるテレビ朝日の女性社員に対するセクハラ疑惑は、職場内だけでなく利害関係で優位に立つ営業先などからの組織外(社外)セクハラの問題を浮かび上がらせた。あなたの特命取材班が無料通信アプリ「LINE(ライン)」でつながっているフォロワー(通信員)約1500人に情報提供を呼び掛けたところ、「テレ朝社員のケースはひとごとじゃない」と被害体験や怒りを訴える切実な声が寄せられた。

 「今度、一緒に旅行に行こう」

 事務職だった30代女性=福岡市=は取引先の男性社員からたびたび、セクハラメールを受け取った。スマートフォンで顔を撮影された揚げ句、届いたのは「毎晩見ているよ」。その後、事務所で2人きりになった際、腕をつかまれ抱き寄せられた。上司に相談しても取り合ってもらえず、精神的に不安定に。仕事を辞めざるを得なかった。

 西日本地方の自営業女性(43)は大手生命保険会社の外交員として働いていた4年前、顧客の消防署員に契約切り替えの説明をしていたところ、「ねえ、一緒に寝てくれる? みんな寝てくれるよ」と「枕営業」を求められた。他にもお得意さまがいる消防署で、契約を取れれば報酬もある。最初は笑って済ませていたが、週に1回、訪れるたびに言われ続けて耐えられなくなった。でも、意を決して相談した男性部長からは「聞き流しておきなさい」と言われただけだった。

 取引先から性的関係を迫られたIT系の会社員女性(38)=福岡市東区=は、相談した女性の先輩に「その程度のことはざら。うまくかわす方法を身に付けたほうがいい」と言われて以来、「うまくかわすことができない自分が未熟なんだ」と自身を責めるようになった。「もし私が後輩に相談を受けても『私も耐えたから』と、テレ朝の女性社員から相談を受けた上司同様、うまく対処できないかもしれない。セクハラに慣れた女性自身も意識を変えないと」と話す。

 男女雇用機会均等法では事業主にセクハラの防止措置が義務付けられている。組織外セクハラも例外ではないが、営業職だけでなく、介護職や出先機関で働く公務員などあらゆる職場で起き、有効な対策はほとんど取られてこなかった。

 セクハラ相談などを受け付けているNPO法人博多ウィメンズカウンセリング(福岡市)の椹木(さわらぎ)京子代表は「社外のセクハラであっても、社内の風土に原因がある場合がほとんど。セクハラは性暴力という認識を徹底し、どのように対応すれば、顧客を失わずに毅然(きぜん)と断れるのか、社内での研修が求められる」と指摘。厚生労働省は「雇い主が適切な対応を取らない場合は、都道府県の労働局に相談してほしい」としている。

=2018/04/21付 西日本新聞朝刊=

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