「ロスジェネ」 氷河期世代が発言し始めた 藤原智美
『ロスジェネ』(かもがわ出版)という雑誌が創刊され予想を上回る売れ行きを見せている。ロスジェネとはロストジェネレーションの略。就職氷河期に社会に出て辛酸をなめている20代後半から30代半ばの青年たちだ。彼らがここにきて言葉を発し始めた。
小説、マンガ、社会批評、手記など中身は多彩。特集は「右と左は手を結べるか」である。1960年代のような寄って立つ共通の思想や哲学があるわけではない。過酷な日常、抑圧された状況からの発言、創作が集められている。高みからではない立ち位置がいい。
編集長の浅尾大輔は貯金をはたいて創刊。インターネットの時代に、わざわざ金も手もかかる活字メディアを選択したのはなぜか?ヴァーチャルなネット空間の言葉はスピードと伝播(でんぱ)力はあっても、どこかはかなく思考の深化はむずかしい。ときに暴走し自爆する。
発言したいという熱意、それを手弁当で編集し、販売し、若い読者が回し読みするという行為は1つの運動である。
12月には2号が出る予定。60年代とも、またネット時代とも違う、若い世代の発言に期待したい。 (作家)
=2008/08/03付 西日本新聞朝刊=
小説、マンガ、社会批評、手記など中身は多彩。特集は「右と左は手を結べるか」である。1960年代のような寄って立つ共通の思想や哲学があるわけではない。過酷な日常、抑圧された状況からの発言、創作が集められている。高みからではない立ち位置がいい。
編集長の浅尾大輔は貯金をはたいて創刊。インターネットの時代に、わざわざ金も手もかかる活字メディアを選択したのはなぜか?ヴァーチャルなネット空間の言葉はスピードと伝播(でんぱ)力はあっても、どこかはかなく思考の深化はむずかしい。ときに暴走し自爆する。
発言したいという熱意、それを手弁当で編集し、販売し、若い読者が回し読みするという行為は1つの運動である。
12月には2号が出る予定。60年代とも、またネット時代とも違う、若い世代の発言に期待したい。 (作家)
=2008/08/03付 西日本新聞朝刊=
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