出版ニュース
児童向け伝記出版 故永井博士 次代に伝えて ノンフィクション新装も
長崎原爆で被爆しながら医師として救護活動を続けた故永井隆博士を描いた子ども向けの本2冊が相次いで出版された。長崎市三川町の作家、中井俊已(としみ)さん(48)による伝記と、22年間で10万部以上を販売したノンフィクションの新装版で、永井隆記念館の永井徳三郎館長(41)は「子ども向けの伝記は待ち望んでいた。2冊の本で、永井隆の願いや思いを子どもたちに伝えてもらいたい」と歓迎している。伝記は「永井隆 平和を祈り愛に生きた医師」で、童心社から6月25日に発行された。A5判、175ページで、小学校低学年でも読めるようすべての漢字に読み仮名を振ってある。中井さんは長崎大卒後、長崎市の精道三川台小中学校で23年間、教師を務め、社会科の授業などで永井博士の活動を取り上げた。子どもに伝えるための本がないことに気づき約3年かけて執筆した。
中井さんは「永井博士は長崎が世界に誇るべき人物で、世界の人がもっと知りたいと思っている。永井博士が貫いた平和の尊さや人を愛することを伝えたい」と話している。
22年ぶりに新装されたのは、永井博士の娘、筒井茅乃さん(65)=京都府八幡市=作の「娘よ、ここが長崎です」(くもん出版)。筒井さんが43歳のときに語った話を基にした本で、表紙に「アンゼラスの鐘」のイラストを使うなど、デザインを一新した。くもん出版(東京)の担当者は「戦争が風化している今こそ、平和への願いを読み続け、戦争の悲惨さと平和の尊さを語り伝えてほしい」と訴えている。
=2007/08/01付 西日本新聞朝刊=

