シマ唄風からJポップまで 城南海が新アルバム「月下美人」

「島を離れてふるさとの音楽に触れ、『良いな』と感じた」と話す城南海
「島を離れてふるさとの音楽に触れ、『良いな』と感じた」と話す城南海
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歌手の城南海さん
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 澄んだ高音と奄美のシマ唄(うた)に特徴的なこぶし「グイン」が印象的な歌手・城南海(きずき・みなみ)。テレビのカラオケバトル番組で高得点を連発することでも知られる彼女が4枚目のオリジナルアルバム「月下美人」をリリースした。Jポップ的なノリもあれば、シマ唄を思い浮かばせる曲もあるこの音盤は、城の魅力が詰まった作品だ。12月2日には福岡市でワンマンライブも開く。

 鹿児島・奄美大島で生まれた城。だが、幼いころからシマ唄を歌っていたわけではない。島にいた時になじんでいた音楽はクラシック。14歳で徳之島、15歳で鹿児島市に移り住み、高校ではピアノをメインに声楽を副科として学んだ。それが音感や音程の取り方を磨き、こぶしと相まって“バトル”での高得点を生んでいる、と自己分析する。

 シマ唄を歌うようになったのは高校1年ぐらいから。11歳年上の兄の影響を受け、即興でシマ唄を歌い合う「唄遊(うたあし)び」に加わるようになってからだ。「シマにいる時はシマ唄はおじいちゃん、おばあちゃんが歌うものだと思っていた。離れてふるさとの音楽に触れて『ああ、いいな』と思った」と振り返る。

 1年ぶりとなった「月下美人」は全12曲。リード曲の「晩秋」は城が大好きだという新潟県出身のシンガー・ソングライター笹川美和の作詞作曲。ポップス調だが、城のこぶしが存分に生かされる曲だ。城は「笹川さんの歌の世界観は和の要素が強いと感じている。そのうえで、私が歌うということを意識して書いてくれたというのがある」という。同じく笹川が作ったタイトル曲の「月下美人」は三線(さんしん)が伴奏に入る。一方で、「夜の風」はアップテンポでJポップの王道をいくような曲調だ。

 城が作ったのは2曲。〈桔梗(ききょう)の蕾(つぼみ)が綻(ほころ)ぶ頃〉という詞で始まる「七草の詩」はしっとりとしたリズムに〈太陽(てぃだ)が暮れてこぼれる涙〉〈思い草は咲き乱れて〉などの言葉がのる。「祈りうた」はBSプレミア厶の「J-MELO」のエンドテーマとして使われた同名の曲の詞を標準語に変えたもの。〈ネリヤカナヤに祈りて〉と奄美の伝説にある海の彼方(かなた)の楽園を登場させ、平和への思いを歌う。どこか懐かしいシマ唄的な印象が強い曲だ。

 多様な楽曲がある1枚だが、城によると根底に通じるテーマは「和」。和の雰囲気を意識して全体を作った。さらに「こぶしを入れて歌う歌い方が多いので、そういったところから奄美の風を感じてもらえれば」とも話す。

 これからの目標は城南海独自の世界を作り上げ、日本だけでなく世界を舞台に歌うこと。「懐かしさや心の琴線に触れる響きが奄美のシマ唄にはある。それを生かしてポップスを歌っていく歌手になりたい」

=2016/11/26付 西日本新聞夕刊(娯楽面)=

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