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桂春蝶、柳家花緑が「二人会」 14日、イムズホール

「お兄さんとは若いころ悩んだことも方向性も似ていて信じ合える」と柳家花緑に対する親近感を語る桂春蝶
「お兄さんとは若いころ悩んだことも方向性も似ていて信じ合える」と柳家花緑に対する親近感を語る桂春蝶
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「型を学んだら死ぬまで挑戦」

 戦争をテーマにした創作などで注目される上方落語の三代目桂春蝶が14日、福岡市で「二人会」と銘打ち柳家花緑と競演する。花緑も洋服で口演する「同時代落語」に取り組むなど、両者は東西で古典芸能に新風を送り込む。春蝶は「芸の上では火花を散らすけれど、現代の人に伝わりやすい落語を考えてきた2人の舞台。初心者から楽しんでいただけると思う」と意気込みを語る。

 実父、二代目桂春蝶の死を機に落語の世界へ。一方の花緑は落語家として初めて人間国宝になった五代目柳家小さんの孫。

 「お兄さん(花緑)も僕も世襲のプレッシャーがかかる中で、伝統を踏襲しつつ自分たちの芸をつくりたいと思ってきた」

 好きな言葉に「伝統にすがりつく人間に伝統は守れない」を挙げる。

 「型だけでプレーするなら先人のCDを聴いたほうがいい。型を学んだら後は死ぬまで自分はどういう考えで挑むのか表現し続けなければならないんちゃうかな」。そうした信条で近年取り組むテーマは戦争。沖縄や鹿児島で話を聞き、2013年に知覧の特攻隊、今年はひめゆり学徒隊を素材にした新作を発表した。

 創作の底辺にあるのは51歳でこの世を去った父の記憶。無類の酒好きで「俺はどうでもええのや」と投げやりになって飲んだくれた。自ら命を縮めるような姿は「トラウマ(心的外傷)でありコンプレックス」にもなったが、「負の思いに向き合って戦争、認知症といったテーマで自分は生き生きと演じることができた」と芸に昇華させた。

 14日の二人会では7月に下ろした「茶粥屋綺譚(ちゃがゆやきたん)」を披露する。江戸時代を舞台に茶粥屋の亭主と薬屋で盗みを働いた少年の20年後を描いた物語。「真心を尽くした時に人間の縁は戻ってくるという話」。春蝶自身、戦争ものに連なる「命と向き合った作品」と位置付けるネタだ。

 ◇柳家花緑・桂春蝶二人会 14日午後2時、福岡市・天神のイムズホール。入場料4000円。シアターネットプロジェクト=092(739)2318。

=2017/10/05付 西日本新聞夕刊(娯楽面)=

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