浜田省吾の心象 活写 映画「旅するソングライター」9日公開

「旅するソングライター」より (C)ROAD&SKY
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「音楽が見える作品にしたかった」と語る板屋宏幸監督(右)と田家秀樹さん
「音楽が見える作品にしたかった」と語る板屋宏幸監督(右)と田家秀樹さん
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曲に込めた思い表現

 浜田省吾のライブを基にした映画「旅するソングライター」が9~22日、福岡市の中洲大洋などで上映される。ラブソングとともに戦争や環境問題などを取り上げ世に問い掛けてきたミュージシャンの曲を、イメージ映像を駆使してメッセージ性を際立たせた。板屋宏幸監督=福岡市出身=は「単なるライブの再現ではなく、全く別の映像表現を目指した」と話している。

 浜田は同題のアルバムを戦後70年の2015年に発表。映画は同年とデビュー40年だった16年に行われた2会場のツアーライブを軸とし、ライブの様子や、会場で使ったイメージ映像、新たに撮った映像を挿入して再構成した。ライブの採録でも、本人のインタビューや裏方の人間模様を入れたドキュメンタリーでもない映像作品を追求した。

 例えば、反戦を歌った「アジアの風 青空 祈り」ではジャングルに残る朽ち果てた戦車、広島の原爆ドームなど戦争にまつわる風景を映し出し、曲に込められた思いを視覚的にも訴えるように演出した。

 板屋監督は浜田を約30年間撮り続け、15年のツアー中に本人から映像作品を提案された。ニュージーランドやイタリアなど海外でも撮影し、「浜田さんの心象風景を自分なりに考え、曲のコンセプトを表現した」。音響は大音量でも観客の耳が疲れないように処理したという。

 浜田は1952年広島県生まれ。父親が被爆者という生い立ちがあり、時代を見据え、人間のアイデンティティーを問う歌詞の内容が音楽性とともにファンから支持されてきた。浜田を長年取材している音楽評論家の田家秀樹さんは「国の在り方、戦争、公害、核兵器を歌いながら誰でも聴けるポップスに昇華させた」と位置付け、映画については「浜田さんのメッセージを再確認でき、ライブ会場に行っていない人も一緒に旅をしている感覚になると思う」と語った。

=2018/02/08付 西日本新聞夕刊(娯楽面)=

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