戦時下に反戦訴えた僧侶描く 映画「明日へ―戦争は罪悪である―」

「これほど真っ直ぐにものを言う映画はなかったと言われた」と苦笑する主演の中原丈雄(左)と藤嘉行監督
「これほど真っ直ぐにものを言う映画はなかったと言われた」と苦笑する主演の中原丈雄(左)と藤嘉行監督
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主演の中原丈雄「人を愛する心で信念貫く」

 戦時下、反戦を訴えた僧侶たちの実話を基にした映画「明日へ―戦争は罪悪である―」が12~14日に福岡市で上映される。主人公の僧侶、杉原良善を熊本県人吉市出身の中原丈雄が演じ、監督は大分県別府市出身の藤嘉行という九州コンビを軸に製作された。

 主人公のモデル故竹中彰元さんは岐阜県の僧侶。戦時中「人の命を損なう戦争は罪悪である」と主張し逮捕された。コメディアン植木等の父植木徹誠(てつじょう)さんも反戦を唱えた僧侶で、上條恒彦が扮(ふん)して登場する。

 「宗教者でさえ戦争を推し進めたこと、しかもその中で反戦を唱えたお坊さんたちがいたことに驚いた」。藤監督は製作委員会のオファーを受けた時をそう振り返る。「最近、自由に意見が言えない雰囲気があるし、北朝鮮問題などきな臭い話も出ている。若い人へのメッセージとなる映画にしたかった」

 現在に通じるテーマとの思いを込め、冒頭、2015年秋、国会前の安全保障関連法案反対デモを映し出すテレビを老落語家純次(岡本富士太)が見つめるシーンで始めた。高座で反戦平和を訴え続けた純次が、人生の指針を与えた良善を回想する形で物語は進む。

 中原はNHKドラマ「花子とアン」「真田丸」などに出演してきたベテランだが、「主役を務める機会はそうない。俳優として勉強する好機」と引き受けた。

 良善は激励して送り出した青年が戦死し、自分が死なせてしまったと悔い、出征する純次には「戦争は罪悪だ。敵と出会っても殺さずに逃げろ」と説く。中原は「人を愛する心があったからこそ良善は考えを変え、信念を貫いた」と役への愛着を語った。

 ◇映画「明日へ―戦争は罪悪である―」 12~14日は福岡市の早良、中央、東各市民センターで巡回上映。九州シネマ・アルチ=092(712)5297。熊本市のDenkikanでは4月上映予定。熊本県内の上映会は熊本映画センター=096(245)6260=へ。

=2018/02/09付 西日本新聞夕刊(娯楽面)=

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