●炭鉱の島をなぜ保存したいのか 近代化の記憶を後世に
▼「軍艦島を世界遺産にする会」理事長 坂本道徳さん
1974年の炭鉱閉山後、廃虚と化した長崎市の端島(通称・軍艦島)。特定非営利活動法人(NPO法人)「軍艦島を世界遺産にする会」の坂本道徳理事長は2003年に会を設立後、九州・山口の近代化産業遺産の保存に取り組むグループとも連携し、世界遺産への登録を目指す活動に取り組んでいる。なぜ世界遺産登録を目指すのか。そもそも軍艦島の魅力とは何か。その思いを聞いた。 (長崎総局・染矢尭志)
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軍艦島。長崎市沖に浮かぶ「端島(はしま)」(長崎県高島町)を、人々はそう呼んできた。今世紀、この島からは「黒ダイヤ」として石炭が掘り出され、日本の近代化を支えてきた。そこには、多くの炭鉱労働者と家族がいた。
その炭鉱が閉山、無人島となって四半世紀。今はただ、廃虚となった高層アパート群が立ち並び、まさに海に浮かぶ軍艦だ。定期船もなく、島を所有する企業は原則、上陸を認めていない。
だが―。今、この島に魅かれる人たちが増え続ける。今年、島ではドラマのロケがあり、廃刊となっていた学術資料集の復刻が決まった。インターネット上でも、多くの人がこの島に関する会話を交わす。
世紀末。歴史のかなたへ消えようとしている島に、私たちが忘れてしまった「何か」があるのか。その「何か」を探す旅に出てみたい。
=2000.12.18掲載