猛暑の中、海や川での水難事故を伝える記事を見ると

 猛暑の中、海や川での水難事故を伝える記事を見ると、殊更に胸が痛くなる。「ほんの一瞬、目を離したら…」。似た思いを、私自身も経験しているからだ。

 10年ほど前、熊本県の人吉支局にいたころだ。家族で川遊び中、よちよち歩きの長女の姿が見えなくなった。妻の叫び声で慌てて捜すと、あおむけにぷかりと浮いて流れている。自分でも信じられない勢いで川へ飛び出し、抱きかかえて難を逃れた。今でも、その瞬間を思い出すと、心臓が痛くなる。そして、水難事故で残された遺族の皆さんの思いを少しだけだが感じる。

 久留米総局では今年、川をテーマにした年間企画を筑後版で展開している。8月のテーマは「川と遊ぶ」。川は決して安全なだけの場所ではないが、絶えることのない流れは自然や歴史、そして人生を教えてくれる。十分に安全に注意しながら、川と友達になろう。そんなメッセージを発したい。 (中野剛史)

=2017/08/10付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]