肥前石造物の傑作といわれる「肥前狛犬(こまいぬ)」は近世

 肥前石造物の傑作といわれる「肥前狛犬(こまいぬ)」は近世、佐賀県を中心に北部九州の神社仏閣に寄進された。先日、愛好家団体「肥前狛犬を学ぶ会」の同県みやき町の見学会に同行し、筑後川沿いに広がる各集落の神社を巡った。

 アーモンド形の目、細部を大胆に省略した愛らしい体つき。素朴というのとも違って、どこか現代風に洗練されて見えた。おまけにどれも個性的。会員たちは行く先々で夢中になって写真を撮った。魅力的な分、像高20~40センチと小ぶりなこともあり盗難が後を絶たない。会によると、店頭やインターネットオークションで取引される狛犬の大半がもともとは盗品という。

 室内装飾品として手元に置きたい買い手の気持ちはよく分かる。だが神仏を守護するのが狛犬のあるべき姿だ。私有はいただけない。見たければ安置された場所に出向けばよい。買い手がいるから売り手がいる。このことを肝に銘じたい。 (本山友彦)

=2018/01/03付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]