朝の散歩コース

 朝の散歩コース。福岡県飯塚市の遠賀川沿いにある市防災センターに、1隻の木造船が展示されている。「川ひらた」。明治から昭和初期に筑豊炭田の石炭を河口の北九州へ運んだ。船頭たちが帰り荷に塩鯨や干物を積み始めたのが、海のない筑豊に魚が持ち込まれたはしりといわれる。

 展示している船は、地元の市民グループが復元した。長さ約14メートル、幅約2・5メートル。底は平ら。エンジンはなく、船頭がさおで川底を押して進んだ。勾配が緩やかで水深が浅い遠賀川での輸送に適した構造だったのだ。

 似た船がある。日本海側の北陸から北海道にかけての沿岸に漂着する北朝鮮の船である。大きさや形から考えると、川ひらたにエンジンを装着しただけのようにも見える。

 川沿いを通るたび、この船で冬の日本海に出て行かなければならない人たちを思う。その犠牲の上に核・ミサイル開発を進める、あの為政者の異常さにおののく。 (大塚壮)

=2018/01/22付 西日本新聞朝刊=

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