次々と届く原稿を読みながら

 次々と届く原稿を読みながら、暗闇の中を走る列車に揺られている気分になった。新年の紙面で紹介した“日本一早い始発列車”。JR旅客6社で最も早い午前4時17分に日豊線の柳ケ浦駅(大分県宇佐市)を出発する。きっかけは同僚の情報。取材は糸をたぐり寄せるように進み、沿線で生活する人々の暮らし、息づかいを紙面で描いた。

 九州最初の鉄道が走ったのは1889年。蒸気機関車の時代を経て、今では時速200キロを超える新幹線が駆け抜ける。大分では福岡-鹿児島を結ぶ東九州新幹線の整備、豊予海峡にトンネルを通して四国と新幹線で結ぶことを求める声もある。今も昔も鉄路は「夢」を運ぶ。

 ただ「変わらない日常がいいのかも」。“始発列車”のある乗客はそう話した。JRの在来線は、収支改善のため運行本数を減らすという。新幹線がもたらす夢は暮らしと両立するだろうか。そんなことも考えた。 (岩尾款)

=2018/01/29付 西日本新聞朝刊=

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