九州豪雨、水田の景色を思う

 ご飯が好きだ。特に、妻の実家で育てた米の味は最高だ。毎年、稲の苗床作りと田植えに参加して、米をいただいている。水を張った田に苗が整然と並ぶ光景は美しく、労働の達成感も得られる。

 正月明け、妻が新米をもらってきた。楽しみにしていたはずなのに、浮かない顔だ。「いつもの年の6割ぐらいしか収穫できなかったそうよ。友達の実家は収穫量が3、4割だって」とつぶやいた。

 妻の実家は大分県日田市にある。昨年7月の九州豪雨で近くの川が氾濫して、周辺の家々が浸水した。水田の土手は崩れて、植えて間もない苗が流されたり、泥に埋まったりしていた。日田市によると、水田を含む農地の被害額は約19億円。完全復旧には時間が必要だろう。

 春になれば、また田植えの準備が始まる。私は今年も、田植えの手伝いに行く。来年も、再来年も。あの美しい光景と、食卓に輝く新米のために。 (丸野崇興)

=2018/01/30付 西日本新聞朝刊=

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