野中広務元官房長官が26日に亡くなった

 野中広務元官房長官が26日に亡くなった。記憶に残る最後の言葉は、昨年7月の自民党額賀派の30周年会合で記者団に語った「死んでいった連中を今思い起こしても、本当に戦争というものを二度と起こしてはならない」。軍隊経験を基に、憲法改正の動きにくぎを刺した。

 戦後初の民間出身の元駐中国大使、丹羽宇一郎氏は同8月に出版した「戦争の大問題」の前書きで、田中角栄元首相が新人議員に授けた言葉を紹介している。「戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない」

 今国会で、安倍晋三首相、自民党は憲法9条改正に向けた議論を喚起している。平和国家の礎となった9条の改正が国民に何をもたらすのか。「戦争を知っている世代」が残してくれた警告を胸に刻み、考えたい。 (山口卓)

=2018/01/31付 西日本新聞朝刊=

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