黒千代香(くろじょか)をとろ火で温めながら

 黒千代香(くろじょか)をとろ火で温めながら、猪口(ちょこ)に注いだ芋焼酎を味わう-。わが家の晩酌の、至福の時間。冷えた体が温まる。たしなむ程度のためか、思考力も高まった気になる。

 初任地の鹿児島総局で芋焼酎に出合った。当時はブームの走りだったが、その後「薩摩焼酎」ブランドとして定着。黒千代香をデフォルメした認定マーク、伝統製法や県産原料を証明する3Eマーク、産地表示の南薩マークと、官民挙げた知恵と努力を感じる。購入時には毎度確認する。

 リーフレタス、サラダ菜、ハトムギ…。現在勤務する久留米総局では農産物の話題に触れる機会が増えた。福岡県内の農業産出額のトップは久留米市。だがブランド力はいまひとつ。ロゴマークを作ったり加工品で工夫したりと、官民挙げた苦悩は今も続く。

 本紙編集綱領には「地域とともに歩み、その自立と発展に尽くす」とある。紙面でどう実践するか。猪口を手に毎晩思考する。 (沢辺克己)

=2018/02/08付 西日本新聞朝刊=

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