▲値上げ,その他
来年度、介護報酬3%増 職員の待遇改善のため
人手不足が深刻なホームヘルパーなどの介護職員の待遇を改善するために、政府は2009年度に介護報酬を初めて引き上げ、プラス3%とすることを決めた。先に開かれた「新たな経済対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議」で、「生活対策」の1つとして盛り込まれた。
Q 介護報酬とは何か。
A ヘルパーらが特別養護老人ホームや訪問した家庭などでお年寄りの食事や入浴といった介護をしたときに支払われる報酬のことだ。利用者から見れば、介護を受けたサービスの値段に当たるわけで、報酬の1割が利用料となる。残りの9割は介護保険から給付される。
Q これまではどうだったのか。
A 報酬は3年ごとに改定されるが、高齢化が進み介護を受ける人が増えて、給付費も増大してきた。給付費が増えれば介護保険料も引き上げられるため、給付費を抑制する目的で報酬は過去2回連続して2%以上引き下げられてきた経緯がある。
Q しかし、保険料は上がっている。
A 確かにそうだ。65歳以上については報酬改定と一緒に見直されて市区町村ごとに保険料が異なる。制度開始の2000年度には全国平均でひと月当たり約2900円だったのに、その後2回とも引き上げられ、今では月約4000円となっている。毎年見直される40-64歳の保険料も07年度までは上がり続けている。
Q なぜそういうことになっているのか。
A 値段(介護報酬)を下げても、それ以上に利用者が増えて給付費も増えたからだ。給付費を賄うのは、半分は税金だが、あとの半分は保険料収入と決められているからだ。
Q 報酬の引き上げで、来年度の保険料はどうなるのか。
A 給付費がさらに増えることが予想され、保険料も大幅に引き上げられかねない。そこで、政府は1200億円規模の基金を創設し、上昇分の半分を国が肩代わりすることにした。厚生労働省によると、これにより、65歳以上の保険料は平均で月約180円アップの約4270円(11月時点の暫定値)に抑えられる。今後、市町村ごとに給付費の見込みなどを精査し、保険料基準額を算出。算出された基準額は来年2、3月の市町村議会で条例として決定され、4月ごろには、最終的な全国平均額が公表される見通しだ。
Q ところで、アップされる介護報酬3%はどう配分されるのか。
A 厚労省は、職員を手厚く配置したり、介護福祉士などの資格者や勤続年数の長い職員の割合が高いところの報酬を増やすなどして、待遇改善を図る方針だ。
Q 職員の月給が2万円上がると聞いたけれど、本当か。
A 3%アップで介護業界全体で約2300億円の増収が見込まれている。約80万人の常勤職員の給与に換算すると、月2万円超になる計算だ。ただ、給与は職員と事業者の間で決められるので、報酬を受け取る事業者次第という面も否めない。
Q どうすれば、待遇改善につながるのか。
A 厚労省は、事業者に研修体制の充実やキャリアアップの仕組みづくりを求めるほか、報酬アップが職員の給与に反映されるよう労働条件や賃金水準の公表も推進する方針だ。
=2008/12/22付 西日本新聞朝刊=
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