▼値下げ,交通

離島便 値下げ実験 長崎県 交付金使い交流増検証 博多―壱岐など

 長崎県は、道路特定財源の一般財源化に伴い本年度創設された「地域活力基盤創造交付金」を活用し今秋、離島航路運賃を引き下げる社会実験に乗り出す。基幹航路を2割程度値下げし、交流人口の増加や経営への影響などを検証する。全国初の取り組みで、九州運輸局は「離島の構造的な課題の解消に向けた画期的なアイデア」と評価。九州は離島を抱えた地域が多く、注目されそうだ。
 
 同県は、交付金を運航会社の船の建造費に充てることを計画。設備投資負担が軽減される上、燃費効率の高い新型船に更新することで、維持運営費の削減にもつながる。これら経費圧縮で恒常的な運賃引き下げを図る狙いだ。県は近く、必要な交付金の額を詰めた上で、その獲得を目指して計画を国土交通省に申請する。国交省は前向きに対応する見通し。
 
 実験は、長崎-五島(九州商船)▽博多-壱岐-対馬(九州郵船)など幹線航路を対象に半年間程度を予定。7月中に運航会社、県、市町などで「離島航路運賃対策協議会」を立ち上げ、値下げが利用者の増加や収益に与える影響を分析する。
 
 離島航路は過疎化などにより利用客が減少の一途をたどっている。同県内39路線の2008年度の利用客は435万5000人で、10年前の44路線703万6000人から4割も減少。九州全体(96路線)では07年度に897万4000人の利用があったが「年々確実に減ってきている」(同運輸局)という。
 
 生活に欠かせない路線は国庫補助の対象となり、九州は全国の約4割にあたる47路線が補助を受けている。だが、九州旅客船協会連合会(福岡市)によると、47路線の08年度9月期決算は45億6900万円の赤字で過去最悪。長崎県は「離島の地域格差は全国的なテーマであり、課題解消のモデルケースとなれるよう計画実現に努めたい」としている。
 
 
=2009/06/19付 西日本新聞朝刊=

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