▲値上げ,その他

鋼材価格2割上げへ 鉄鉱石急騰 自動車にも影響か 新日鉄など

 新日本製鉄や住友金属工業が鋼材価格を2割程度引き上げる方針を決めたことが25日、明らかになった。中国の需要増により鉄鋼の原料価格が過去最高の水準で推移しているためだ。鉄鉱石の相場が10年足らずで約10倍に急騰している。中東の政情不安や世界的なカネ余りを背景に投機資金が原料全般の高騰を演出していることも鋼材価格の上昇懸念材料となっている。鋼材を大量に使う自動車などの販売価格に影響する恐れもありそうだ。

 住友金属工業は25日、石油輸送のパイプラインや建設機械などで使う鋼管の価格を4月製造分から15%値上げすると発表。新日本製鉄も「4月以降に出荷する鋼材価格を1トン当たり2万円程度値上げする方針」という。

 乗用車1台の製造に使う鋼材を約1トンとすれば、約2万円のコスト高となる。

 鉄鉱石価格は現在、四半期ごとに改定する仕組みで2011年4―6月期で1トン当たり170ドル超(約1万4千円)と1―3月期と比べ約3割値上がりする見込みで、過去最高になるのは確実な情勢。市場での取引価格は200ドル程度となっており、2000年度前後の20ドル以下から急伸した。中国の需要増に加え、鉄鋼の原料となる石炭も主産地のオーストラリアで起きた大雨の影響で輸出減の懸念から高騰した。

 鉄鋼メーカーにとって追い打ちとなったのは、英国・オーストラリア系の資源大手BHPビリトンが石炭価格の改定方法の変更を通告したこと。現状の四半期ごとの改定から、毎月にするように求めた。一部の石炭は、積み込む船ごとに価格を決めるように要求した。

 日本鉄鋼連盟の林田英治会長(JFEスチール社長)は会見で、短期的に価格が変動すると鉄鋼メーカーだけでなく、自動車メーカーなども生産計画が立てにくくなるとして「断固反対していく」と反発した。ただ、資源大手は寡占化により鉄鋼メーカーとの交渉で圧倒的に優位な立場にある。鉄鋼メーカーが通告を覆すのは難しい状況だ。


=2011/02/26付 西日本新聞朝刊=

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