▲値上げ,食料品

豚肉 とんだ高値 6月、23年ぶり水準 昨夏猛暑、PED影響 外食、加工品値上げも

 豚肉の卸売価格が今春以降、高値で推移している。全国指標となる東京市場では、6月の平均価格が23年ぶりの高値を記録した。昨夏の猛暑で豚の妊娠率が下がり、出荷頭数が減ったためだ。価格は徐々に落ち着きつつあるが、今春に全国で急速に拡大した豚流行性下痢(PED)による子豚の死も相次いでおり、10月以降に再び価格が上昇することが懸念されている。

 独立行政法人農畜産業振興機構(東京)によると、東京市場の国産豚肉1キロ当たりの平均卸売価格は4月ごろから上がり始め、6月には666円(前年同月比34%高)にまで上昇、1991年以来の高値となった。7月は587円とやや下がったものの、前年同月より12%高かった。

 主に九州北部の豚肉を取り扱う福岡食肉市場(福岡市)でも、6月は650円(同30%高)、7月も623円(同19%高)と高騰。8月に入っても600円前後と平年より高めの取引が続いている。

 豚は妊娠から出産まで4カ月、出荷できるまでの成育期間がさらに6カ月かかる。昨夏は九州などで記録的な猛暑になり豚の妊娠率が下がったため、今年5月には出荷量が前年同月比7・5%減にまで落ち込み、高値につながったという。高騰に伴い、大手ハムメーカーの日本ハムや伊藤ハム、丸大食品などは7月以降、豚肉が原料の商品容量や納入価格を見直し、平均10%の値上げに踏み切った。

 とんかつ専門店「浜勝」を展開するリンガーハットは8月から、ほぼ全てのメニューを約3~5%値上げした。同社は「豚肉などの価格高騰で、ここ10年間に経験したことのない厳しい状況だ」と話す。

 一方、昨年10月に発生したPEDでは、農林水産省の集計で全国で約36万頭、九州では約12万頭が死んだ。生後間もない子豚が多かったとみられ、農水省は10~12月には出荷数が4、5%ほど減ると試算している。市場関係者は「秋以降に再び価格が高騰するかどうかは、輸入品が増えるかどうかにもよる」とみている。 

=2014/08/19付 西日本新聞朝刊=

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