▲値上げ,食料品

Xマス 苦しい洋菓子店 バター、ナッツ高騰 「他社と競合」 完全な価格転嫁難しく

 クリスマスケーキに使われる食材の価格が高騰している。生乳の生産量の減少などで品薄になっているバターに加え、国際的な需要増や円安の進行でナッツ類も高騰。九州の洋菓子店では商品価格を値上げする動きも見られるが、他社との競争が激しい書き入れ時とあって完全な転嫁は難しく、苦しいクリスマス商戦となっている。

 福岡市中央区の洋菓子店「フランス菓子16区」。今年はクリスマスの時期に合わせて販売する菓子「シュトーレン」の税別価格を前年比6・6%増の6400円に値上げした。バターは前年比1割増、アーモンドは3割増など多くの食材が値上がりしたが、商品の値上げはごく一部。クリスマスケーキの価格は据え置き利益は減るが、三嶋隆夫オーナーシェフ(70)は「今年は仕方ない」と漏らした。

 和洋菓子製造販売の菊家(大分県由布市)も価格転嫁したのは一部のみ。担当者は「他社との競合で、値上げは難しい。取扱店舗を開拓する営業をして、販売個数を増やすことでカバーしたい」と話す。

 バターは、昨夏の猛暑や国内酪農家の減少で生乳生産量が落ち込んだことに加え、他の乳製品より生産が後回しにされる事情もあり、品薄の状態が続いている。政府は計1万トンの緊急輸入を決定。乳業大手4社は4日、政府の要請を受け、家庭用、業務用ともに供給量を3割増やすとしたが、抜本的な解決にはつながっていない。

 日本ナッツ協会によると、中国やインドでの需要増や、健康志向による米国などでの人気の高まりで、ナッツ類全般の国際価格が高騰している。加えてレーズンなどドライフルーツの価格も上がり「要因はさまざまだが、近年これらの国際価格が下がることはまずない」(輸入業者)という。

 菓子・パン製造販売のさかえ屋(福岡県飯塚市)は、1日当たりの生産個数を増やすなどして生産効率を上げることで原材料費上昇分を吸収してきたが、年明けの原料の仕入れについては今後取引先と詰める予定。生産管理課の大悟法幹雄課長代行は「急に状況が好転することはないので非常に不安。代替品は使わず、バターが十分に入手できなければ生産量を減らしたり価格を上げたりせざるを得ない」と話している。

=2014/12/10付 西日本新聞朝刊=

カテゴリの一覧

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]