▲値上げ,その他

博多芸妓 花代アップ 30年ぶり改定 報酬倍に 料亭側と大筋合意 後継育成に道

 全国的に花街が姿を消していく中、博多の伝統芸能を守り続ける博多芸妓(げいぎ)の宴席代金「花代」が30年ぶりに値上げされることが24日、分かった。博多では芸妓の減少を背景に昭和40年代以降、養成管理組織の「置屋(おきや)」が少なくなり、2000年前後に消滅。このため芸妓の立場が弱く、長年、芸妓の出演料(報酬)が据え置かれていたとみられる。所属事務所に当たる「博多券番」が3月下旬、料亭が加盟する福岡市料理業組合に協議を申し入れ、このほど値上げについて大筋で合意した。お座敷での芸妓の報酬は約2倍になるという。 明治期には2千人を超える芸妓でにぎわった博多だったが、昭和初期以後は年々減少。現在は立方(たちかた)(踊り手)と地方(じかた)(演奏者)を合わせてわずか17人。芸妓を呼べる料亭も6軒しかない。地元経済界などがつくる博多伝統芸能振興会から、赤字補填(ほてん)などの支援を受けて活動を維持してきた。

 料亭が客から芸妓の手配を依頼された場合、料亭は博多券番を通じて芸妓の派遣を依頼する仕組み。現在の料亭での花代は、芸妓や客の人数によって異なるが、2時間程度で数万~十数万円が相場とされ、飲食代とともに支払われる。

 博多券番と料亭側は(1)長期間据え置きの花代の更新(2)料亭側との花代の配分割合(3)芸妓と客の直取引を禁じるなど、関係者の順守事項を盛り込んだ規約の改定-などで協議に入った。しかし、協議は難航。券番が4月以降、料亭側に「新規予約を受け付けない」と通告するなど態度を硬化させ、一時行き詰まった。花代値上げに合意したことで、今月22日から新規予約の受け付けを再開したという。

 約180人の芸妓衆を抱える京都では、芸妓組合と料亭を取り次ぐお茶屋組合が花代について適宜協議している。だが、地方では芸妓側と料亭側の立場に差があり、交渉自体が難しい面もあるという。九州でもう一つ残る「長崎検番」でも4月、十数年ぶりに花代が改定されたばかり。

 花代値上げについて博多券番は「芸妓の後継者育成や、券番の自立へ向けて道が開けたと思う」と歓迎。福岡市料理業組合はなお協議中の項目もあることから「今は何も答えられない」としている。 

 ▼博多券番 芸妓(げいぎ)の取り次ぎや「花代」と呼ばれる芸妓の出演料の精算を行う事務所。明治時代の1889年、現在の福岡市博多区奈良屋に相生(あいおい)券番が設けられたのを皮切りに、中洲、水茶屋などの券番が生まれた。大正時代には五つの券番となったが、戦時下に解散。戦後、中洲、水茶屋などの券番が復活し、1985年に一つにまとまって「博多券番」となった。

=2015/06/24付 西日本新聞夕刊=

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