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経営統合の意義と懸念

 十八銀行(長崎市)と、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)傘下の親和銀行(佐世保市)は、長崎県内の融資シェアで1、2位の地方銀行である。両行を合わせると約7割になる。

 県内で激しい競争を展開しており、そのことを長崎勤務時代に実感した。それだけに両行の合併には心底驚いた。

 そのFFGと十八銀の経営統合が難航している。独占禁止法に基づく公正取引委員会の審査が長期化しているためだ。基本合意の発表から1年が経過しても、足踏み状態が続く。

 経営統合が当初の4月から10月に延期され、2018年4月に予定した十八銀と親和銀の合併も同年10月へ半年間ずれ込む。公取委の審査が難航しているのは、統合により長崎県内で圧倒的な貸出金シェアとなり、顧客が不利になると懸念しているからだ。

 両者は、公取委の求める競争状態確保に向けた具体策を示せていないという。独占禁止法に詳しい弁護士は「(貸出金シェアは)相当高い水準で公取委の審査も慎重にならざるを得ない」と言う。

 十八銀と親和銀が合併を目指す背景には、人口減少や超低金利環境で地銀の経営環境が悪化している事情がある。過当競争を続ければ経営基盤が弱体化し、地域に根差した地元企業を支援することが困難になると両行は主張する。

 経営体力が衰えて資金面で地域経済を支えられなくなれば元も子もない。一方で、顧客が自由に金融機関を選択できる環境の確保も地域経済の発展には欠かせない。

 「統合で地元資本の銀行が事実上消滅し、地方が置き去りにされるのではないか」と不安を口にする長崎県内の取引先企業も少なくない。地元の理解を得るため、金融庁が地場企業向けに説明会を開く異例の事態にもなった。

 「県内1、2位連合」の統合は地銀の統合・再編で今後のモデル事例として全国的に注目されている。FFGと十八銀は地域での対話を進め、分かりやすく統合の意義を語ってほしい。


=2017/03/20付 西日本新聞朝刊=

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