政務活動費、筑後地区では? うきは市「後払い」で執行抑制 久留米市は月5万円 支給ゼロ市町も [福岡県]

久留米市議会事務局で閲覧できる各会派の政務活動費の収支報告書
久留米市議会事務局で閲覧できる各会派の政務活動費の収支報告書
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※福岡市の政活費は無所属は26万
※福岡市の政活費は無所属は26万
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 辞職者が続出した富山市議会をはじめ、今年も「第2の議員報酬」と呼ばれる政務活動費(政活費)を巡る不祥事が全国で相次いでいる。筑後地区にとっても、対岸の火事で済まされる問題ではない。そもそも、地元の市議、町議は政活費をどれぐらいもらっているのか。うきは市では、全国的に注目される「後払い方式」を導入しているという。筑後地区の政務活動費を巡る動きを調べてみた。

 久留米市では、議員1人当たり月5万円を所属会派に支給している。全国市民オンブズマン連絡会議の2015年度分の調査によると、全国の中核市47議会の平均支給額は1人当たり年113万円、支給額のうち使い切った割合を示す執行率は平均81・8%。久留米市の支給額は平均の半分程度で、執行率は91・0%だった。ちなみに、同じく中核市の富山市の支給額は月15万円、執行率は100%。「使い切り体質」が不正の温床になったと指摘されている。

 使途をチェックする手だてはどうなっているか。久留米市や長崎県佐世保市など中核市の17議会では、政活費の領収書を市民が閲覧する場合、情報公開請求が必要となる。久留米市の議会事務局によると、請求から2週間以内に閲覧できるが、今のところ、議会内で閲覧方法を簡略化する検討は行われていないという。一方で、県内では宗像市議会が領収書の添付された収支報告書をホームページで公開するなど、透明性の向上を目指している。

 議員報酬や政活費に向けられる市民の目は厳しい。小郡市は、10年9月議会で1人あたり月3万円を基準額とする政務調査費(当時)を新たに支給する条例案を提出したが、実現しなかった。厳格な使途基準を定め、使った分だけ領収書を提出する後払い方式を盛り込んだが、市民から猛反発を受けて議会最終日に撤回に追い込まれたという。ある市議は「日本一厳しい政調費になるはずだったが、市民の反発が予想以上に強かった」と振り返る。

 小郡市と同様に政活費がない大刀洗町議会でも、一部に新設してはどうかという意見があるが、具体化には至っていない。議会事務局は「新設するなら、近隣自治体の状況を見て、しっかりとした使途基準を定めないといけないが、住民の目は厳しい」としている。

 自ら見直しに取り組んできた議会もある。05年に合併して発足したうきは市では、11年ごろから議会基本条例の制定に向けた議会改革の動きが始まった。政活費の使途基準を厳格化し、政党活動に関する支出を外したり、議会報告を印刷する部数に制限を設けたりした。

 議員報酬とは別に、定例会の本会議や常任委員会で議会に来るたびに交通費や日当の名目で支給されていた費用弁償を撤廃。合併時に1人当たり月1万円だった政活費は、8千円に減額した。

 政活費の後払いは合併当初から導入されていた。ただ、うきは市の議会事務局によると、後払いは使い過ぎを抑制する目的ではなく、嘱託を含め職員が4人しかいない議会事務局の負担を減らすためだという。半年に1度、市議が立て替えて払った領収書を提出してもらい、適正な支出かどうか確認した上で、実費を支給する。前払いと比べ、使い切らなかった政活費を返還してもらう手間が省けるという。

 それでも、後払いによる抑制効果はあるようだ。うきは市は、政活費の使途の概要をホームページで公開しており、15年度は市議15人計144万円の予算額に対し、実際に支給されたのは約68万円、執行率は47・1%にとどまった。1円も使わなかった市議も3人いた。

 15年度に「後払い制」を導入した京都府丹後市でも執行率は約57・5%。「使い切り体質」を防ぐ上では有効な手だてになり得ることを示している。

 各地で相次ぐ政活費の不祥事について、うきは市議会の櫛川正男議長に聞くと、こんな答えが返ってきた。「前払いだと、使い切らないともったいないという気持ちになる。後払いなら、そんな問題は起きないだろう」

=2016/11/30付 西日本新聞朝刊=

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