広がるボランティア 大牟田市登録派遣事業10年 [福岡県]

ボランティア派遣事業の講師が指導するエコサンクセンターのエコ・ペーパークラフト教室
ボランティア派遣事業の講師が指導するエコサンクセンターのエコ・ペーパークラフト教室
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 大牟田市の生涯学習ボランティア登録派遣事業が開始から10周年を迎えた。さまざまな技術や知識を持つ人をボランティアとして登録し、必要とする人たちへ派遣する制度で、登録者数は年々増え、当初の2・5倍になっている。大牟田に根付いた事業の歩みを振り返った。

 今月19日、同市健老町のエコサンクセンターの一室。主婦ら約10人が集まり、紙ひもを使って、かごや鍋敷きなどを作る「エコ・ペーパークラフト教室」が開かれていた。

 「ここの結び方は、こうやって」。講師の藤原優子さん(69)=同市臼井町=が、一人一人に丁寧に指導する。藤原さんは8年前にボランティアとして登録。この教室は3年目になる。「教えることが楽しくて、もう趣味になっている」と藤原さん。公民館や自宅で教えたり、夏休みの学童保育でも教室を開いたりしているという。

 事業は、市民らでつくる同市生涯学習まちづくり推進本部が2007年度に始めた。最大の特徴は、ボランティアを必要としている人とボランティアを結ぶ“橋渡し役”として、市生涯学習課に専門の「ボランティアコーディネーター」がいることだ。同課は「ボランティアを必要としている人が直接、依頼するのは気が引けると思いコーディネーターを置いた」と説明する。

 ボランティア登録者数(団体も含む)は年々増加。初年度は610人だったが、今年1月現在で1534人と2・5倍に膨らんだ。年齢も小学生から90歳代までと幅広い。派遣回数も順調に伸びており、初年度の229件から昨年度は800件を超え、ボランティアの派遣者数は延べ2468人に達した。

 登録者の増加について、ボランティアコーディネーターの内野文路さん(58)は「市内に7カ所も市立公民館があり、さまざまな生涯学習教室が開かれている。そこで学習した人たちが登録しているようだ」と分析する。

 同推進本部によると、福祉施設や敬老会への慰問、PTA行事のレクリエーション支援のほか、折り紙、園芸、押し花、陶芸の各教室の講師など、ボランティア派遣の内容は多岐にわたる。10年間、市内にある病院の花壇の手入れをしている団体には「病室から四季折々の花が見られて癒やされる」、福祉施設の慰問では「懐かしい歌に涙した」など、感謝の声が寄せられているという。

 大牟田市の人口は減少傾向が続くが、ボランティア活動はむしろ活発になっている。同推進本部の松延隆広本部長(62)は「大牟田を市民レベルで活性化させ、盛り上げようという思いの表れではないだろうか。10年という節目を迎え、さらに市民のエネルギーが増すと期待したい」と話している。

=2018/01/31付 西日本新聞朝刊=

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