「守教」直筆原稿を寄贈 帚木蓬生さん 小説の舞台の大刀洗町へ 4月以降一般公開 [福岡県]

大刀洗町に寄贈された「守教」の直筆原稿
大刀洗町に寄贈された「守教」の直筆原稿
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帚木蓬生さん
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 小郡市出身の作家帚木蓬生(ははきぎほうせい)さん(71)=中間市=が、近作「守教」(新潮社)の直筆原稿を、同作の舞台がある大刀洗町に寄贈した。町立図書館は4月以降の一般公開を目指し、展示ケースなどの準備を進めている。

 昨年9月刊行の長編小説「守教」は、キリスト教が伝わった戦国期から弾圧の手が迫る禁教期、いかにして信仰が広がり、ひそやかに守られ続けたかを描く。国重要文化財の今村天主堂(大刀洗町今)がある地域をまとめた大庄屋の一族と農民たちの視点で歴史の謎に迫り「第52回吉川英治文学賞」の受賞が決まった。

 昨年10月、帚木さんが町で講演した際、壇上で「生原稿は町の図書館に引き取ってもらえたら」と表明。昨年末、約1200枚の直筆原稿を贈った。ペンではなく鉛筆書きで、推敲(すいこう)の跡もそのまま残されている。寄贈にあたり「引き取っていただき、感謝します」とメッセージも添えられている。

 また原稿だけでなく、隠れキリシタンやキリシタン大名についての歴史書など、執筆の際の参考書籍65冊も寄贈。付箋紙も残されており、執筆の痕跡が生々しく伝わってくる。

 図書館は帚木さんや作品を紹介するパネル、原稿を展示保管するケースを制作した上で公開する予定。浜境真由美館長は「史料を基に巧みに組み立てて、人間のさまざまな面を掘り下げて執筆されている。大切に保存し、皆さんに見てもらいたい」と話している。

=2018/03/20付 西日本新聞朝刊=

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