26歳陶芸家“幻の窯”継ぐ 八女・立花、1年半休館「男ノ子焼の里」 横浜出身杉田さん [福岡県]

「男ノ子焼の里」の登り窯と、杉田さん
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杉田貴亮さんの作品
杉田貴亮さんの作品
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 八女市立花町北山の市の陶芸施設「男(お)ノ子(こ)焼の里」に今年1月、横浜市出身の陶芸家杉田貴亮さん(26)が工房を構えた。施設は、前に使っていた陶芸家が離れてから1年半休館。再び火入れされたガス窯と登り窯が、若手の生き生きとした作品を生み出している。

 男ノ子焼は、豊臣秀吉が朝鮮半島に出兵した慶長の役で、柳川藩主・立花宗茂が連れ帰った陶工が開いた。柳川藩の御用窯として栄えたが、陶工が熊本に移ったため約80年で途絶えたとされる。残っている作品もわずかで「幻の窯」と呼ばれてきた。施設は男ノ子焼を復興させようと旧立花町が1990年に整備した。

 杉田さんは大学でデザインを学んだ後、作風にほれ込んだ熊本県荒尾市の「小代(しょうだい)焼ふもと窯」で4年ほど修業。「男ノ子焼の里」の窯元募集を聞き、名乗りを上げた。杉田さんは「窯やろくろなど機材もそろっている。自前で購入して独立する資金はなく、飛びついた」と振り返る。

 男ノ子焼と小代焼は陶器にかけるうわぐすりにわらを使うなどの共通点があり、両者はルーツが同じだったという説もある。杉田さんは「本当に偶然で何かの縁を感じている」と驚く。現在は海外の陶器も参考にしながら、和食器を中心に作陶。男ノ子焼も「近い将来、作ってみたい」と、うわぐすりの調合の研究を進めている。

 21、22日には男ノ子焼の里で恒例の「れんげ祭り」が開かれる。杉田さんの陶器約700点を展示即売するほか、特産品や郷土料理の販売などもある。杉田さんは「多くの方に作品を見ていただきたい」と張り切っている。祭りは午前10時から午後4時。

=2018/04/21付 西日本新聞朝刊=

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