嘉穂高サウンド伝統脈々 炭鉱閉山後の街に活力 [福岡県]

50回目の定期演奏会に向けて練習に励む部員たち。指揮は、元顧問の竹森正貢さん
50回目の定期演奏会に向けて練習に励む部員たち。指揮は、元顧問の竹森正貢さん
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1967年の1回目の定期演奏会の様子(嘉穂高提供)
1967年の1回目の定期演奏会の様子(嘉穂高提供)
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 嘉穂高(飯塚市潤野)吹奏楽部の第50回の定期演奏会が24、25日にイイヅカコスモスコモン(同市飯塚)で開かれる。炭鉱の閉山が相次ぎ、街が活気を失い始めた時代に、市民を元気づけようと始めて半世紀。部員らは「たくさんの人に嘉穂高らしい演奏を伝えられたら」と話している。

 同校の吹奏楽部は1930年に音楽部として創部。九州の高校の吹奏楽部では草分け的な存在だ。これまで全日本吹奏楽コンクールに16回出場し、金賞5回を受賞。同校創立100周年の2001年には、ウィーン世界青少年音楽祭で吹奏楽部門1位に輝いた。

 1967年の第1回定期演奏会で指揮し、30年余り顧問を務めた竹森正貢さん(78)=飯塚市=は「炭鉱が衰退していく時代に、筑豊の文化として市民を元気づけたかった」と語る。以来、毎年開催している。

 持ち味は「嘉穂高サウンド」として親しまれる、しっかりとした低音を土台に中音と高音を調和させる音色。顧問の伏見宣秀教諭(53)も吹奏楽部OBで、小学校低学年の頃、演奏会の音色を聴いて音楽を志した。「高校時代は夜遅くまで遠賀川の河川敷で練習をしていました」と懐かしむ。

 現在の部員は、高校生57人。昨春に開校した嘉穂高付属中の吹奏楽部員20人も一緒に練習する。昨年からは、伏見教諭から贈られた鉢巻きを身に着け、一体感を高めながら腕を磨いてきた。高校の吹奏楽部は昨年の吹奏楽コンクール九州大会に4年ぶり出場し、銀賞を獲得。今年は同大会で5年ぶりの金賞を収めた。

 演奏会では「木綿のハンカチーフ」や「川の流れのように」など懐メロで時代をたどる「50周年記念スペシャルメドレー」として演奏するほか、筑豊ゆかりの「炭坑節」など約20曲を予定。節目の演奏会に、竹森さんも10年ぶりに参加し、72年の全日本吹奏楽コンクールで金賞を受賞した時の自由曲「マスク」などでタクトを振る。

 同校吹奏楽部OBの父の影響で入部した部長の林健太さん(18)は「50回の節目に、伝統をしっかり受け継いでいるという音楽を感じてもらえたら」と話している。

=2016/09/24付 西日本新聞朝刊=

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