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人形操り感動届ける 俳優の谷口直子さん(37) 「故郷で生まれる感覚を大切に」 [福岡県]

「暮らしの中から生まれる感覚を大切にしたい」と語る谷口直子さん
「暮らしの中から生まれる感覚を大切にしたい」と語る谷口直子さん
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昨年12月の「海峡演劇祭」で国内初披露した人形劇「よだか」の一場面
昨年12月の「海峡演劇祭」で国内初披露した人形劇「よだか」の一場面
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 人形劇を学ぶため留学したチェコでは、街角や広場で人形劇が上演されていた。大人と子どもが一緒に腰掛けて楽しむ日常の娯楽。「日本に戻ったら、こんな風景を再現したい」-。

 それから7年、現在は小倉南区田原新町の家具店「501ファニチャー」を拠点に、人形劇とひとり芝居が融合した舞台活動を続けている。主な公演先は幼稚園や図書館。顔が見える距離で「それぞれの世代が心に何か持ち帰ることができる芝居」を届けている。

 昨年12月、関門海峡ミュージアムであった「海峡演劇祭2016」。幼児からシニア世代まで約50人が集まった劇場で、宮沢賢治の短編小説「よだかの星」を題材にした自作劇「よだか」を上演した。自身も登場人物の一人となり、人形と小道具を操りながら物語を進める。劇の主題は輪廻(りんね)転生。次々に登場する個性あふれる人形に子どもたちは目を輝かせ、大人たちは作品のメッセージをかみしめていた。

 演劇祭の谷瀬未紀実行委員長(48)は「人形を使うことで、生きるために命を食べる、というテーマを子どもと大人が一緒に考える時間を持てた」と手応えを語った。

 小倉北区出身。小学5年の学芸会で演じたおじいさん役を多くの人にほめられ、演じる楽しさを知った。中学、高校の演劇部を経て明治大文学部の演劇学専攻に進学。卒業後は文学座の養成所に入り、退団後も東京で稽古とアルバイトに明け暮れる俳優生活を続けた。充実していたが、稽古場とバイト先と自宅を回るだけの暮らし。「日々の生活を楽しめてこそ、表現の幅を広げることができるんじゃないか」。東京を離れる選択肢も考え始めた。

 どんな環境でも左右されない自分なりの礎を求めていたとき、トランク一つに人形を詰めて単身、世界中で公演する俳優に出会った。弟子入りし、30歳から1年間、チェコの劇場で作品作りを学んだ。歴史が古いチェコの人形劇は、大人も楽しめる芸術として位置付けられていた。刺激を受け「よだか」を制作。チェコとスロバキアでの公演を成功させた。

 帰国後、帰郷し結婚。息子は3歳になった。「北九州で暮らす中で生まれる感覚を大切にしながら、芝居を続け、裾野を広げていきたい」 

=2017/02/15付 西日本新聞朝刊=

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