たった1人の卒業式 入試で欠席、高校の計らいで 125年ぶりの快挙、難関の東京芸大に合格 [福岡県]

小正路淑泰校長から卒業証書を受け取る宮城薫さん
小正路淑泰校長から卒業証書を受け取る宮城薫さん
写真を見る
宮城さんは出席者の前で演奏し、感謝を伝えた
宮城さんは出席者の前で演奏し、感謝を伝えた
写真を見る

 2016年の「全日本学生音楽コンクール北九州大会」のフルート部門で優勝するなど、若手演奏家として期待を集める育徳館高(みやこ町豊津)3年、宮城薫さん(18)が難関の東京芸術大音楽学部器楽科に合格し、17日、同高でたった1人の卒業式に臨んだ。同高は1日に卒業式を行ったが、宮城さんは同大入試で欠席。寂しい思いをしていたが、そのかいあって合格。学校の計らいで卒業式が実現した。

 宮城さんは、育徳館中1年時に、管弦楽部に入ってフルートを始め、地元と東京のフルート奏者らに師事。才能が開花したのは一昨年10月に八幡東区であった同大会。「若手音楽家の登竜門」とされる大会で優勝し、世界的なピアニストのマルタ・アルゲリッチ氏(アルゼンチン)の名を冠した「アルゲリッチ芸術振興財団賞」も受賞。昨年5月に別府市(大分県)などであった「別府アルゲリッチ音楽祭」に最年少で出演した。

 同高によると、宮城さんは大学入試センター試験を経て、難関の実技による1~3次試験を突破。フルートの合格者7人のうち、普通科高出身者は宮城さん一人で、同高からの合格は125年ぶりという。

 宮城さんは、校長室であった式に母玲子さん(48)と出席。小正路淑泰(こしょうじとしやす)校長(56)から卒業証書と、これまでの実績をたたえる特別メダルなどが贈られた。その後、演奏を披露し、出席の同高教諭へ感謝を伝えた。

 小正路校長は「素晴らしい音楽家を目指して励んでほしい」とエールを送る。管弦楽部顧問として6年間指導をした皆川真紀主幹教諭(51)は「意志が強い生徒で、最後まで何事も投げ出さずに頑張ってくれた」と語る。「卒業式を開いてもらってうれしい」と話す宮城さん。「先生や両親、多くの人の教えを生かして頑張ります」と来月5日の入学式を前に希望で胸を膨らませていた。

=2018/03/18付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]