日越の友好発展が夢 グエン・ドクさんに聞く [福岡県]

西日本新聞のインタビューに応じるグエン・ドクさん
西日本新聞のインタビューに応じるグエン・ドクさん
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 ベトナム戦争で米軍が散布した枯れ葉剤の被害者支援を呼び掛けるため来日したグエン・ドクさん(35)が19日、福岡市内で西日本新聞の単独インタビューに応じた。枯れ葉剤の影響で結合双生児として生まれた「ベトちゃんドクちゃん」兄弟の弟。ドクさんは亡くなった兄との思い出や今の暮らしぶりを紹介し「日本とベトナムの友好関係発展が私の夢」と語った。

 1981年、ベトナム中部のコントウム省で生まれた「ベトちゃんドクちゃん」。ドクさんはベトさんと体が結合していた当時を「仲が良くて普通の子どもみたいに一緒に遊んだ。ただ、困ることは多く、特に病気は片方が感染したらすぐにうつった」と振り返る。

 ベトさんは86年に脳の炎症が起き、意識を失う。88年に手術で分離。ベトさんは2007年に19歳で「空に行ってしまった」。

 ドクさんは06年に結婚、09年に双子の父親になった。「子どもたちは小学2年で、ちゃんと成長していてうれしい」と顔をほころばせる。ただ、自身は「ここ1、2年は頭や背中が痛く、体調が悪い」と言う。

 現在は分離手術を受けたツーズー病院の職員。旅行会社からの依頼で日本人観光客と交流したり、枯れ葉剤の影響を説明したりしている。「家族の中で働いているのは私だけ。経済的に困っている部分もある」。交流を通じて日本の文化や日本人の性格が好きになったという。

 枯れ葉剤の被害者は、ベトナム国内に480万人いるとされる。ドクさんは「日本は農業や医学、枯れ葉剤の被害者支援をやっていただき、非常に感謝している。継続してお願いしたい」と語った。

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 ドクさんは日本ベトナム平和友好連絡会議福岡などの招きで来日。この日、福岡市の西南学院大で講演し、約250人を前に「被害者代表として平和を最も願っている」などと話した。

=2016/10/20付 西日本新聞朝刊=

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