スイーツの坂を登る 中央区・桜坂周辺 和洋 こだわりの店並ぶ [福岡県]

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ディスプレイにもこだわった「OYATUYA.U」の店内
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西洋菓子工房IMURIで人気の「IMURIチーズ」
西洋菓子工房IMURIで人気の「IMURIチーズ」
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全て手作業で製造する松屋利右衛門の鶏卵素麺「たばね」
全て手作業で製造する松屋利右衛門の鶏卵素麺「たばね」
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 天神から市営地下鉄七隈線で数分。都心部のすぐ近くでも緑があふれ、閑静な住宅が広がる福岡市中央区の桜坂駅周辺。住宅街を歩く中で、地元の方から「最近はスイーツの店が人気」と教わった。さっそく坂を登り、こだわりのスイーツを食べ歩いた。

 ▼イートインも

 桜坂駅前の城南線通りを歩くと、開店前の店に並ぶ人だかりが目に留まった。2階建て建物の入り口の横には個性的なイラストと「OYATUYA.U」の文字。昨年10月にオープンした焼き菓子メーンのスイーツ店だ。時間をおいて入店すると、牧瀬高史さん(28)が笑顔で迎えてくれた。

 住宅街の桜坂に出店したのは「近所の人が気軽に立ち寄れる場所にしたかったため」と牧瀬さん。スイーツを作るのは奥さんで、元料理人だったが大病を患い8年ほどの闘病生活を経験した。その間、外を出歩くのもままならず、お茶の時間が気晴らしだった。「元気になったら、お茶の時間を豊かにするお菓子を作りたい」と考えたのが、店を出すきっかけになった。

 店内は20種類ものスイーツが並び、甘い匂いが立ち込める。午前中で多くの商品が売り切れるという。1番人気は3種類あるガトーショコラ(1カット300~400円)。イートインもでき、濃厚な味を、特別に焙煎(ばいせん)したコーヒーと楽しめる。

 ▼一子相伝守る

 桜坂駅から市動物園までを結ぶ坂道は、地元住民によって「桜坂山の手通り」と命名されている。通り沿いに見えてきたのは、2階建ての木造アパート「桜坂山ノ手荘」。デザイナーや不動産などが入居し、1階には福岡を代表する銘菓「鶏卵素麺(そうめん)」を製造する菓子工房「松屋利右衛門」がある。

 鶏卵素麺は340年以上の歴史があり、福岡藩に献上されていた。1673年、初代松屋利右衛門が製造を始め、「一子相伝」で家業を守ってきた。2012年、自己破産したが翌年、13代松屋利右衛門さん(46)=本名松江光=が復活させ、今にいたる。

 原料は県産の卵と砂糖のみ。製法は昔から変わらないが「今でもおいしいといわれるよう改良を続けている」という。鶏卵素麺を4・5センチに切り出して昆布を巻いた「たばね」(8個1620円)は、優れた地方産品を選定する民間事業「ザ・ワンダー500」に選ばれた。来年は商品のリニューアルを予定。「13代の歴史の中でも、格が違うものを販売していく」と意気込む。

 ▼高品質な材料

 さらに坂を登ると「西洋菓子工房IMURI」がある。隣接している系列の料亭「桜坂観山荘」と日本料理「IMURI」は1997年と99年にそれぞれ開業。そこで開かれる結婚式のウエディングケーキを自社で作りたいと、2009年に開業した。

 ホールケーキや生菓子など見た目も美しいスイーツが並ぶ店内。名物は「IMURIチーズ」。通常のチーズケーキは丸いケーキ型だが、かまぼこ形の型を使う形状が特徴的。外側のクッキー生地となめらかなクリームチーズの食感は新しい経験だ。

 シェフパティシエを務める溝田大輔さん(37)は久留米市で働いていたが、6年前から桜坂で働く。「最初は上品な街に戸惑った」と笑うが「上品さに合うように高品質な材料で、手間を掛けてつくっています」と話す。

<スポット>

 ●昭和の香り漂う 「古道具るごろ」

 高級住宅が立ち並ぶ福岡市中央区桜坂2丁目のエリアで、ちょっと目を引く古風なアパートの、その奥で営業している「古道具るごろ」。店内には昭和30年ごろの古道具がそろい=写真、建物の雰囲気と相まってタイムスリップしたかのような感覚にとらわれる。

 開店したのは2007年。倉庫を探していた店長の北岡稔朗さんが、アパートを見て「ここを改装すれば店舗としても使える」と考え、アパートに入居する店舗と一緒にアパートを改装して出店した。

 店内にはアンティークな椅子や棚、食器などが並ぶ。県外からも雑貨好きが訪れるという。金曜~月曜の午前11時~午後7時。同店=090(8353)5330。

=2016/11/26付 西日本新聞朝刊=

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