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福岡市の浅利さん100歳の調べ 演奏会でピアノ披露 「上がらないと思っていたのにまだ若いんでしょうか」 [福岡県]

楽譜を見ながら、自宅のピアノを両手で演奏する浅利スミ子さん
楽譜を見ながら、自宅のピアノを両手で演奏する浅利スミ子さん
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 福岡市中央区の浅利スミ子さん(100)が、80歳から本格的に始めたピアノの演奏を10月下旬にあったコンサートで披露した。本番は緊張のため完全な演奏ではなかったというが「上がるほど私も若い」と語って会場を沸かせた。

 浅利さんは20歳ごろ、小学校に代用教員として勤務した。当時は「聞いただけの曲を学校のピアノで弾いた」というほどの音感を持っており全て独学。代用教員は約1年で終わり、結婚後は全くピアノを弾いていなかった。

 80歳でピアノを始めたきっかけは、次男の勧め。「ぼけないように始めてごらんよ」という言葉を受け、次男も通うピアノ教室で月2回の個人レッスンを受けるようになった。けんしょう炎になるほどいろんな曲に挑戦し、90歳で「乙女の祈り」も弾きこなした。

 そのころ、公民館で卓球をし「力いっぱいのラリー」をした日の帰宅後、体を伸ばしたときに背骨を圧迫骨折して約2カ月入院した。その後も腸閉塞(へいそく)を患い、入院や手術をしたが、今でも元気に近所を散歩し、手すりをつかめば階段の上り下りもできる。

 1人で行き来するのが不安になり、2年前にピアノ教室はやめたが、「100歳のピアニスト」として今年は2回、福岡市・天神のイムズホールなどの舞台に立った。いずれも、2人で弾く連弾で「エーデルワイス」など2曲を披露し、3年前に旅先で聞いて感動した「アメージンググレイス」を1人で演奏した。

 ソロの演奏は、練習のようにうまくはいかなかったが、「上がらないと思っていたのに上がるのは、まだ若いんでしょうか」というあいさつに、多くの聴衆から笑いが起きたという。

 10月には、富山県の北アルプスに長女の徳子さん(72)と行き、標高約2300メートルにあるホテルに宿泊。満天の星空に感激し「また見てみたい」。その若さについて、徳子さんは「よく食べて一緒に晩酌もする。世の中の出来事に興味があるし、人の気持ちや状況も読む」と話す。

 ピアノは新曲を覚えたり、練習したりする気にはならないが、コンサートでの披露はまんざらでもない。「同じ曲でいいなら、頼まれればやるかな」。100歳を過ぎてもなお、体力や感性は衰えない。

=2017/11/15付 西日本新聞朝刊=

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