住民の思いを復興計画に 九州豪雨 [福岡県]

朝倉市と東峰村の復興計画の策定などについて語る三谷泰浩九州大大学院教授
朝倉市と東峰村の復興計画の策定などについて語る三谷泰浩九州大大学院教授
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 昨年7月の九州豪雨で被害を受けた朝倉市と東峰村の復興計画は3月下旬に公表されるが、策定作業をけん引するのが九州大の「豪雨災害調査・復旧・復興支援団」(約50人)だ。両市村の策定委員会で委員長を務める三谷泰浩大学院教授(51)=防災工学、岩盤工学=に、計画策定の方向性や九州大の関わり方などについて聞いた。

 ■策定委員長の三谷九州大院教授に聞く

 -昨年12月末に朝倉市と東峰村が復興計画の骨子を決めた。例えば、朝倉市の復興計画の策定はどのように進められるのか。

 「復旧・復興の主体は市民と市。市民の意見をよく聞き、市民の思いや意見を入れた復興計画にしたい。そこに国・県・大学および関係機関が協働する。復興計画は災害発生からおおむね10年後の姿を見据え、復旧期、再生期、発展期に分けて段階的かつ着実に復旧・復興に取り組む。特に被害が大きかった8地区は地区別計画を策定する」

 -九州大としては、どのようなスタンスで復興に関わっていくのか。

 「復旧・復興は普通は行政主導。大学は被災地に入って研究を学会などで発表するだけだったが、復興が終わり住民が満足するまで災害に関わりたいと思う。相当きついことだが」

 -過去の他の災害では、行政主導の結果、住民が望まないインフラができた例があったと聞く。

 「復旧・復興されたインフラなどを使って住民は生活していくのだから、例え安全でも使いづらいものではいけない。九州豪雨の被災地でそういうことが起きないようにしたい。九州大の支援団は、朝倉市だけでも20を超える集落などに入り込んで住民の会議に顔を出し、意見を聞いている。望まない復興にならないよう大学がすりあわせをしてあげたい」

 -朝倉市の8地区では4日までに、復興計画のうち川や道路の復旧・復興事業など地区別計画の工程表案が示されたが、事業完了までのスケジュールが主だったため、住民側は、川の流路や幅、砂防ダムの場所など具体的な事業情報を求めている。

 「具体的な事業内容の多くは現在、測量や設計が進んでいる段階。設計ができ次第、個別に住民に説明される。一方で復旧・復興が進むにつれて市民のニーズが変化したり、新たな課題が生じたりすれば、復興計画は見直していく。復興計画は3月で終わりではない」

 ■17、18日に住民説明会 朝倉市、意見公募も

 朝倉市は17、18日、3月下旬に決定する九州豪雨被害からの市復興計画案の住民説明会を開く。

 市復興計画案は、10日に開く第3回復興計画策定委員会でほぼまとまる予定。説明会では、特に被害が大きかった8地区の地区別計画案も知ることができる。

 説明会の対象地域は、17日が甘木地域(午後1時、ピーポート甘木)と杷木地域(午後5時、サンライズ杷木)。18日は朝倉地域(午後5時、朝倉地域生涯学習センター)。

 また、同市は16~26日に復興計画案へのパブリックコメント(意見公募)を実施する。計画案は市役所本庁や支所、各コミュニティセンターなどに置かれ、市ホームページでも閲覧できる。市総合政策課=0946(22)1111(代表)。

=2018/02/06付 西日本新聞朝刊=

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