全国で公立幼稚園の閉園続く 福岡でも6園 定員に満たず、財政負担も 園児ら別れ惜しむ [福岡県]

隣接する赤坂小の小学生らによるアーチをくぐる赤坂幼稚園の園児たち
隣接する赤坂小の小学生らによるアーチをくぐる赤坂幼稚園の園児たち
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 福岡市立幼稚園6園が今月末に閉園する。園児数が定員の半数に満たないことや、私立幼稚園で市内の園児を受け入れられることなどが理由で、北九州市や熊本市など全国的にも公立幼稚園の閉園が続いている。14日は福岡市内5園で閉園式があり、最後の卒園生計118人や地域住民らが思い出の園舎との別れを惜しんだ。

 市内で閉園するのは、赤坂(中央区)、和白(東区)、姪浜(西区)、内野(早良区)、入部(同)、2001年度から休園中の脇山(同)の6園。残る雁の巣(東区)、金武(西区)の2園は来年3月に閉園する。跡地はそれぞれ、隣接する小学校施設や、教育関連施設として活用される予定。

 市教育委員会によると、市内の3~5歳の人口は1975年度の5万3千人をピークに減少。市立幼稚園の園児数も80年度の727人から減り続け、16年度に337人と定員の半数を割った。私立幼稚園の園児数は2万294人(17年5月現在)で定員充足率は約82%。市立幼稚園児をすべて受け入れられるという。

 市の財政負担額(私立にも補助)は、園児1人当たり市立幼稚園で約60万円(16年度)。私立の4・5倍に上る。

 保護者が負担する額については市はこれまで、平均すると私立が市立の約1・8倍になるが、今後は国が幼児教育に関わる保護者負担を軽減し無償化に段階的に取り組むことにしているとして「(私立でも)保護者負担額はさらに少なくなると見込まれる」と説明。06年に包括外部監査から「存続の根拠が不足」との意見を受け、市は15年に市立幼稚園の廃止を正式決定し、18年春卒園生以降の募集は停止していた。

 この日、65年の歴史に幕を閉じる赤坂幼稚園では、卒園式に引き続き閉園式を開催。田中栄司園長は「地域に親しまれた幼稚園が幕を閉じるのは万感の思い。輝かしい足跡はいつまでも受け継がれる」とあいさつ。自身と子ども2人が同幼稚園出身で、妊娠9カ月という城南区の斉藤さおりさん(36)は「次の子も通わせたかったけど、残念。いっぱい遊べる自由な幼稚園でした」と振り返った。

=2018/03/15付 西日本新聞朝刊=

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