「生きづらさ」の軽減を 県発達障がい者(児)支援センター・福岡地域「Life」(ライフ)センター長 林智香子さん [福岡県]

林智香子センター長
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 「生きづらさを感じたり、困ったりした人たちが頼れる場にしたい」。春日市の「県発達障がい者(児)支援センター・福岡地域『Life』(ライフ)」の責任者として、穏やかな口調に使命感がにじむ。

 当事者や家族などの相談を受けるセンターは1月末にクローバープラザに開設。県の委託で、社会福祉法人こぐま福祉会(小郡市)が運営し、臨床心理士ら計4人の支援員が常駐して医療機関や就労支援施設に橋渡しも担う。

 保育士として保育園で勤めた後、同法人にいた知人に誘われたことがきっかけで同法人職員に。それから約25年間、発達障害児の療育支援に取り組んできた。

 障害に対する社会の関心が低い頃から、調理など共同作業を通したコミュニケーションの訓練などにも携わってきた。個々の特性に応じた支援を心掛けて実践すると「子どもは生き生きと成長していった」ことが、やりがいとなっている。

 当事者家族にも寄り添ってきた。最近、かつて関わった自閉症の男児の母親に再会し「悩みを聞いてもらううち、障害を理解し息子を支えることができた」と感謝された。男児は大人になり、長年同じ仕事を続けているという。

 発達障害は自閉症や学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの総称。人との関わりが苦手、集中力が続かないなど個々で特性は異なる。

 発達障害には口頭の伝達で物事を理解できなくても、文字や写真なら理解できるケースもある。「『なぜできないのか』ではなく、『こうすればできる』という視点で周囲が配慮すれば、当事者の不自由さは軽減される」と語る。

 ライフは開設日から相談が相次ぎ、2月までに乳幼児から成人まで約80件の相談が寄せられた。障害のため段取りが苦手で家事をこなせず苦しんでいた主婦には、支援員が作業手順を図示するなどしサポート。主婦は「安心してきた」と話した。「適切に支援して状況が改善する見通しが立つと、精神的負担が和らぐんです」。培った経験は幅広い世代へのサポートにも役立つと感じている。

 同センター=092(558)1741。利用対象は福岡市を除く、県内19市町村の住民。

=2018/04/02付 西日本新聞朝刊=

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