西日本新聞

はじまる裁判員

【2009/05/20付】鹿児島の市民 「性犯罪被害者 保護を」 候補選任時の情報流出懸念 地裁に要請書 「防止措置が不十分」

2009年06月11日 14:03
 鹿児島県で元警察官の男が4月30日に強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕された事件をめぐり、鹿児島市の小川美沙子市議など3人が19日、事件が21日から始まる裁判員制度の対象となれば、被害者の個人情報の保護が不十分になる恐れがあるとして、対策を求める要請書を鹿児島地裁に提出した。

 裁判員裁判は21日以降に起訴された対象事件で行われ、強姦致傷罪も対象。裁判員の選任手続きでは、被告や被害者の名前も含めた事件の概要を説明し、数十人の候補者に利害関係の有無を確認する必要がある。

 このため実際には6人の裁判員に選ばれず、裁判員とは異なって守秘義務を課されない多くの候補者に被害者の個人情報が伝わってしまい、インターネット上などで公にされてしまう懸念が指摘されている。

 小川市議は、133人の連名で作成した要請書で(1)性犯罪を取り扱う場合、被害者のプライバシーと安全を確保する(2)確実な安全保護の措置が講じられるまで裁判員制度の開始を延期する‐などを求めた。小川市議は「最高裁は性犯罪被害者保護の指針を明確にしておらず、地裁によって対応に差が出るのではないか」と懸念。同地裁総務課は「各裁判官の判断となるので回答する権限がない」としている。

 一方、女性支援団体「アジア女性資料センター」(東京)の本山央子事務局長らも同日、最高裁に同様の趣旨の要請書を提出した。選任されなかった候補者は事件の情報を第三者に伝えても裁判員法の秘密漏示罪の対象にならないことを踏まえ、本山事務局長は「裁判が始まるまでに何らかの策を考えてほしい」と訴えた。

=2009/05/20付 西日本新聞朝刊=

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