西日本新聞

カメラで歩いた被災地

【漁村被害】南相馬市を再訪 「どれほどの人生がのみ込まれたのか」

津波被害を免れた建物の横には、打ち寄せられた漁船が残されていた=8月19日、福島県相馬市(撮影・木下悟)
津波被害を免れた建物の横には、打ち寄せられた漁船が残されていた=8月19日、福島県相馬市(撮影・木下悟)
 5月に一度取材した東日本大震災の被災地、福島県南相馬市を8月19日に再訪した。前回は目にすることのできなかった鹿島区烏崎を住民が案内してくれた。かつては200戸が暮らしを営む漁村だった場所だ。

 集落に向かう国道6号沿いの荒れ地。何げなく見ると、漁船が何隻も取り残されたままだった。乗組員が津波の中を必死に操船。座礁させた後に泳いで逃げ、近くの山によじ登って助かったのだという。誰も乗っていなかった船は腹を空に向けていた。

 海側に向かうと、荒れ地と思っていた土地のあちこちに住宅の土台が見えた。200戸の家屋はほとんどが押し流され、残った建物は数えるほどだ。

 「一体どれほどの人生がのみ込まれたのだろう」

 夏草が茂る中、1棟だけ残された公民館の前に立ち尽くした。

 (木下悟、写真も)

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