【地域と語ろう隊】住民が連携しにぎわう街に 九大去る福岡市・箱崎地区
2011年09月14日 15:09
東区箱崎地区の中心部は南の筥崎宮、北の九州大学箱崎キャンパスに挟まれる形で発展を遂げてきた。それが今、大学キャンパスの移転によって大きな転換点を迎えようとしている。
箱崎キャンパスは2019年度までに伊都キャンパス(西区、糸島市)に移転予定。九大によると、約42ヘクタールの敷地はすべて売却する方針で、自治体、民間を問わず売却先を検討するという。
拠点施設である大学が去れば、一般には地域の縮小や空洞化が懸念される。箱崎地区が特異なのは、地下鉄、JR、国道3号と交通基盤が整っていることや、福岡市の中心市街地に近い「地の利」から、マンション建設などが進み、人口が増加傾向にある点だ。
ただ、人口増は必ずしも街の活性化に直結していない。地元商店街は郊外の大型店に客足を奪われ続け、新住民と旧住民の意識差が交流を妨げている現状がある。
25年後の将来像をどのように描くか。発展の一翼を担ってきた筥崎宮を中心に、商店街を活性化の起爆剤にしようとする動きがある。地元のまちづくり団体が企画する秋の「放生会(ほうじょうや)」と連動したイベントは例年好評だ。にぎわいを一過性に終わらせないことや、空き店舗の活用、出店の意欲を持つ若い経営者との連携などが課題に挙がる。
九大の跡地利用が具体像を結ばない中で、地域の将来を語るのは難しい面もある。住民の1人は「跡地の行方は、周辺地域がどんな『街の色』なのかが左右する。だからこそ今のうちに、住民が連携してにぎわう街にしなければならない」と指摘する。新たな魅力創出に箱崎地区が動きだす。
=2011/08/13付 西日本新聞朝刊=