新型インフルエンザが猛威を振るう中、国産ワクチンの優先接種をめぐる国の方針は二転三転した。厚生労働省は今月17日、最新の接種スケジュールを公表したが、相次ぐ変更に混乱している人は少なくないだろう。ワクチン接種への疑問や不安に答えた。
Q 優先対象者の現時点での接種回数は。
A 1歳から13歳未満の子どもは2回。妊婦や基礎疾患(持病)のある人、65歳以上の高齢者は1回。13歳以上の中学生と高校生は当面2回接種だが、現在進行中の中高生を対象にした臨床研究の結果を踏まえ、12月中に最終判断される。
Q 接種開始時期は。
A 妊婦と、持病のある人の中でも優先度の高い子どもや入院患者への接種が今月初めから始まった。これ以外の持病のある人と、1歳から小学校低学年までの子どもは今月後半から。1歳未満の乳児の保護者らと小学校高学年は12月下旬。中学生は1月初め、高校生は1月後半、高齢者は2月後半に設定された。
Q 当初は2回の方針だったのに、なぜ大半の人が1回になったのか。
A 健康な成人を対象にした臨床研究で、2回接種しても1回の場合に比べ効果の上乗せがないとの結果が出たためだ。
Q 1回への変更にはメリットがあるのか。
A 使用量を節約できるため、より多くの人に国産ワクチンを提供できる。接種時期も全体的に早められる。
Q 持病のない子どもへの接種が始まった自治体と、そうでない自治体があるのはなぜか。
A 子どもが肺炎や脳症を起こし重症化する例が増えたため、厚労省は都道府県に、子どもの接種時期を当初予定より前倒しするよう要請した。ところがワクチンの供給量が限られる中で「前倒しできない」とする自治体も多く、対応がばらついている。これは子どもに限ったことではない。厚労省のスケジュールは目安。実際の接種時期は自治体によってまちまちなので確認が必要だ。
Q 生後間もない赤ちゃんがいるが、接種しなくて大丈夫か。
A 1歳未満の乳児に接種しても免疫を付けることは難しいとされている。そのため、乳児への感染を防ぐ目的で親が優先対象になっている。
Q 抗がん剤治療で免疫が低下している。1回だけの接種では不安だ。
A 持病のある人のうち著しく免疫が低下している人は、医師とよく相談した上で2回接種することもできる。
Q 外国人でも接種を受けられるか。
A 日本に在住し、優先対象者の定義に当てはまれば接種できる。
Q 副作用は。
A 厚労省によると、約450万人の接種に対し877件の副作用報告があったが、多くは注射部位の腫れなど軽いものだった。入院相当の重い副作用報告は68件で、発生頻度は0・002%。昨年度の季節性ワクチンでの0・0003%より高めだが、因果関係の有無にかかわらず報告されているとみられ、専門家は「季節性と大きな差はなく、基本的に安全」と結論づけている。
Q 接種後に亡くなった人がいる。大丈夫か。
A 22日現在、国内では接種後の死亡が21例報告されている。全員持病があり、大半は高齢者だった。専門家の検討会は「大部分は持病の悪化などによる死亡の可能性が高い。接種との明確な関連はない」との評価結果を出している。
=2009/11/23付 西日本新聞朝刊=
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