熊本地震 被災者支援制度<上>生活再建に最大300万円支給

熊本市で罹災証明書を申請する住民たち。各種手続きに必要だが、発行に時間がかかることもあり、後日の提出でよい場合も=先月26日
熊本市で罹災証明書を申請する住民たち。各種手続きに必要だが、発行に時間がかかることもあり、後日の提出でよい場合も=先月26日
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 熊本地震の被災者が一日も早く暮らしを再建できるよう、行政や各種団体がさまざまな支援措置を打ち出している。住宅や仕事など「お金」に関わるサポートを2回にわたってまとめる。

 ■住宅など

 熊本県内で住んでいる住宅(賃貸を含む)が被害を受けた世帯には、同県が最大300万円の「生活再建支援金」を支給する。対象となる被害は、(1)全壊(被害の割合が50%以上)した(2)半壊(20%以上40%未満)するか敷地などに被害が生じてやむを得ず解体した(3)大規模半壊した(40%以上50%未満)-など。金額は被害状況や世帯人数などで異なる。使途の制限はない。罹災(りさい)証明書や住民票などを添えて市町村に申請する。

 同県内で住宅が全壊か大規模半壊し、住むところが確保できない被災者は、県が借り上げる民間賃貸住宅(みなし応急仮設住宅)や応急仮設住宅を利用できる。最長2年入居でき、家賃の負担はない。いずれも問い合わせ先は市町村。応急仮設住宅は建設に向け協議中の市町村もあり、入居手続きなどの詳細は未定だ。

 同県内で被災した住宅のがれきなどの「災害ごみ」は、住んでいる市町村が設ける仮置場に出す。

 熊本、大分県内で半壊以上の住宅を解体する場合、要件に応じて、市町村が解体費用を負担する。所有者の申請を受け市町村が解体する制度で、詳細は未定。制度を待たずに解体する場合は、工事の記録写真、契約書、領収書などの関係書類を保管しておく。相談先は市町村。

 両県内で被災した住宅の補修方法や費用などの電話相談は、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの住宅補修専用・住まいるダイヤル=(0120)330712。

 両県内で被災した住宅を復旧する資金は、住宅金融支援機構の「災害復興住宅融資」を利用できる。住宅の建設、購入、補修が対象。それぞれ要件があり、罹災証明書が必要。相談は同機構のコールセンター=(0120)086353。

 ■保険

 熊本地震で被災した住宅や家財の損害は、火災保険とセットで契約する「地震保険」で補償される。火災保険のみの契約では、地震が原因の火災で受けた被害は補償されない。

 まずは契約先の損害保険会社に連絡を。各社の調査員が被害を調べ、それに応じて地震保険金を支払う。調査前に修繕や処分をする場合、被害箇所を撮影しておくと査定の助けになる。

 被害は全損、半損、一部損の三つに区分される。例えば、全損なら原則、契約金額の満額が支払われるが、時価が上限となる。時価とは、被害を受けた住宅や家財と同等の物を新たに購入するのに必要な価格から、経年劣化分や、使用による消耗分を差し引いたものだ。

 保険金請求は保険証券がなくてもでき、罹災証明書は不要。傷害保険や自動車保険などの特約で補償されるケースもある。自分がどの保険に入っているか分からない場合は、日本損害保険協会の自然災害損保契約照会センター=(0570)001830=で調べられる。

 生命保険については、地震による被害は免責条項により保障されないことがある。だが、生命保険協会は熊本地震の被災者について、免責条項を適用せず、保険金や給付金を支払うことを決めた。契約先の生命保険会社や契約内容が分からない場合は、生命保険協会の災害地域生保契約照会センター=(0120)001731まで。

    ◇    ◇

 支援措置の情報は9日現在で、変わる可能性がある。災害救助法が適用される熊本県内の被災者のみを対象とした措置や、他と重複して受けられない措置もある。


=2016/05/10付 西日本新聞朝刊=

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