ボランティアへ10の心得 まずは自分の衣食住確保を

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夕飯の炊き出しを待つ被災者に、ミニトマトを運ぶボランティアの人たち=20日午後5時すぎ、熊本県益城町
夕飯の炊き出しを待つ被災者に、ミニトマトを運ぶボランティアの人たち=20日午後5時すぎ、熊本県益城町
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 熊本地震から1週間を迎え、被災地に駆け付けるボランティアがどっと増える時期。被災者の生活支援や復興を後押しする存在として期待が集まる。一方で、基本的知識がないまま現地に入れば、かえって迷惑になりかねない。今回の震災直後、被災地入りしたボランティア団体関係者や被災地支援の専門家は、自身の安全を守る準備と心構えの重要性を強調する。

 「被災地で自分の身を守るのは自分だと肝に銘じてほしい」。20日夜、福岡市内で開かれたボランティア希望者への説明会。主催したボランティア団体の吉水恵介代表は、参加した約30人に呼び掛けた。吉水さんの服装は、被災地で活動時に着用する長袖シャツに長ズボン、底の厚い安全靴。「万が一けがをしても、病院はいっぱいだから」と注意を促した。

 吉水さんは16日、震度7を観測した熊本県益城町を訪れた。古い家屋が数多く倒壊しており、がれき撤去に多くの人手や時間を要することが予想される。避難所に食事が行き渡らなかったり、耳が遠い高齢者に放送による連絡が届かなかったり、自治体側の避難所の運営に不慣れな現実も目についたという。

 吉水さんは東日本大震災の被災地でも活動。興味本位で倒壊家屋をのぞき込んで負傷した人や、がれきを背景に記念撮影をする人もいた。「観光気分で行くのは被災者の感情を逆なでするだけ」と警鐘を鳴らす。

 「被災者に疲れが見え始めてきた時期こそ、ボランティアが力を発揮する」。阪神大震災などで被災者支援に取り組んだ日本NPOセンター(東京)の田尻佳史常務理事は、こう話す。余震が断続的に続く影響からか、各自治体のボランティア受け入れ準備の遅れが気掛かりだという。

 最も大切なのは、「衣食住」を自分で確保し、被災地に迷惑をかけないこと。被災地からやや離れた場所に宿を確保すれば、物資調達がしやすい。現地のボランティアセンターに登録し、配られた名札を着用しないと「空き巣」に間違われることもあるという。被災地への移動は公共交通機関を使い、マイカー利用は避けるなどの配慮も必要だ。

=2016/04/21付 西日本新聞朝刊=

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