森へおいでよ 筑豊の自然再発見<23>春を告げる鳥 初音を聞くうれしさ

(1)ウグイス
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(2)ウソの雄(亜種アカウソ)
(2)ウソの雄(亜種アカウソ)
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(3)太宰府天満宮の木うそ(葦ペン画・木村直喜さん)
(3)太宰府天満宮の木うそ(葦ペン画・木村直喜さん)
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 立春を過ぎると、森の声にもちょっとした変化が起き始める。冬の間、「チッ」とか「ジャッ」とか鳥本来の鳴き声である地鳴きをしていた鳥たちが、天気のよい日には美しい歌声を披露するようになるのである。これがさえずりである。

 その中でもウグイスの「ホーホケキョ」という声に、昔からだれもが春の到来を感じてきた。歳時記の「鶯(うぐいす)」の項には「春告鳥(はるつげどり)」という異名がある=写真(1)。

 また、初音(はつね)というと、特にその春に初めて聞くウグイスの声をいうが、このころのさえずりは遠慮がちでうまくない。そこにまた初々しさを感じるのであるが、ウグイスのさえずりは毎年リセットされるらしく、春ごとに最初からさえずりを覚えなければならなくなるため、鳴き始めのころは下手なのだそうだ。

 これが5月ごろになると、自信に満ちあふれた声で高らかに「ホーホケキョ」と歌い上げるようになる。そのころのウグイスは「老鶯(ろうおう、おいうぐいす)」といわれ、夏の季語となる。

 森で見られるほかの春の鳥を歳時記で調べてみると、「鷽(うそ)」「松毟鳥(まつむしり)」などの名が並んでいる。

 「鷽」はスズメぐらいの大きさのずんぐりした鳥で、「口笛を吹く」という意味の「うそぶく」に由来する=写真(2)。

 毎年1月7日、酉(とり)の刻とされる午後6時に太宰府市の太宰府天満宮で行われる鷽替え神事の「木うそ」はウソがモデルとなっている=写真(3)。

 「松毟鳥」というのは日本一小さな鳥(約10センチメートル)の一つであるキクイタダキのことである。小さな群れが針葉樹林でよく見られる。

 頭頂部に菊の花弁を1枚(実際はこれが一つの花なのであるが)載せたような黄色い模様があり、「菊の花を頭に頂いている」ことからキクイタダキという名がついたそうだ。

 さらに、オスのキクイタダキには頭頂の黄色の中に一筋細く赤い線が見えることがある。この赤い線が見えたときは、初音を聞いたときと同じようにうれしくて、その感動を誰かに伝えたくなる。

 いよいよこれからが春本番。みなさんも森へ出かけて一句詠んでみてはいかが。

「だれかれに告げたし初音聞きしこと 直樹」

(筑豊の自然を楽しむ会=ちくぜんらく・木村直喜(ザ・バードマン))


=2017/02/23付 西日本新聞(筑豊版)=

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