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【花宗川の詩 八女筑後大木大川】(2)八女農業高 恵みの野菜校内販売

八女農高の横を流れる花宗川。実習の農業用水としても活用されている
八女農高の横を流れる花宗川。実習の農業用水としても活用されている
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花宗農場の野菜や、生徒が手掛けた農産加工品を販売する直売所。生活科学科の生徒たちはかすりの実習着で直売所に立つ
花宗農場の野菜や、生徒が手掛けた農産加工品を販売する直売所。生活科学科の生徒たちはかすりの実習着で直売所に立つ
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 花宗川のゆるやかな流れは、農業を学ぶ若者たちに達成感や難しさを教える“先生”でもある。

 八女市本町の県立八女農業高。1902(明治35)年、八女郡立福島農学校として設立され、広大な農地の広がる筑後南部の農業を支える人材を育ててきた。

 校内にある実習用の「花宗農場」。校舎横を流れる花宗川から農業用水を取水しているため、この名が付いた。農場は1991年、隣接する公立八女総合病院と土地交換して得た約6千平方メートルの土地を活用してできた。園芸実習棟や温室などを備え、生徒たちは野菜や花を育て、実践的な農業技術を学んでいる。

 農場に植える野菜は、今の季節はダイコンやニンジン、ホウレンソウなど7、8種類。通年だと16種類ほどだという。野菜や花き栽培を学ぶシステム園芸科の近藤祐介教諭(26)は同校の卒業生。実家の農業を継ぐため入学したが、花宗農場での実習で「農業技術を伝える重要性に気付き、教職を目指した」という。

 かつては農家出身の男子生徒が多かった同高だが、農業人口が減少する中で、それ以外の分野の人材を育てる学科も開設した。栄養学や高齢者介護などを専門的に学ぶ生活科学科は女子生徒が目立つ。

 農場を訪ねてみると、かすりで作った実習服姿で生活科学科の女子生徒たちがビニールハウスの張り替え作業をしていた。農業以外の分野に進むことの多い同科の生徒たちも農業実習に取り組む。

 3年生の竹田伽弥菜(かやな)さん(18)は佐賀県鳥栖市の食品メーカーに就職が決まっている。野菜の無農薬栽培などを経験し「水なしに農業が成り立たないこと、安心して食べられるものを作るのにどんなに手間が掛かるのか分かりました」と振り返る。花宗農場の経験を通じ「食」の責任の重さを実感しているところだ。

 生徒たちが育てた野菜や花、校内で加工した豚みそや焼き肉のたれなどは毎週火曜と金曜に、校門を入ってすぐの農産物直売所「チャレンジショップ・未来館」で販売している。

 農場で育った一本80円の無農薬栽培のキュウリを買って食べてみた。細長く形は悪かったが鮮度は抜群。しゃきしゃきとした食感と、みずみずしさが口の中に広がる。花宗川の恵みとともに、生徒たちの農への思いが伝わってきた。

=2017/10/04付 西日本新聞朝刊=

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