鹿児島県屋久島町の元会社社長藤山幸彦さん=当時(73)=の遺体が栃木県鹿沼市で見つかった事件で、大分刑務所に服役中の男性受刑者(64)が鹿児島県警の調べに「鹿児島拘置支所で一緒だった高橋秀明被告(47)=宇都宮市=に藤山さんの土地のことをしゃべった」と話していることが19日、捜査関係者への取材で分かった。鹿児島、栃木両県警の捜査本部は事件につながる経緯とみて、近く高橋被告を死体遺棄容疑で逮捕し、動機とともに調べる方針。
捜査本部は、高橋被告は拘置支所での話に基づき、金銭目的で藤山さんに土地取引を持ち掛ける計画を発案。しかし思い通りに運ばず、監禁、拉致したとみている。
捜査関係者によると、服役中の男性は屋久島町出身。鹿児島県警に2007年11月、土地売買をめぐるトラブルで藤山さんへの殺人未遂の現行犯として逮捕された。高橋被告も同月、窃盗容疑で県警に逮捕されていた。拘置支所で一緒になった男性は高橋被告に「屋久島に幅広く事業をしている藤山さんという人がいる」「土地を所有している」などと話したという。
藤山さんは07年、屋久島町安房にホテルを建設する計画で土地約2300平方メートルを購入。高橋被告ら2人と接触した直後の昨年5月29日に行方不明となり、今月14日、鹿沼市の井戸の中から遺体で見つかった。
高橋被告は覚せい剤取締法違反(所持)の罪で懲役2年2月の判決を受け控訴中。東京高裁で19日、初公判があり、量刑不当を訴えて結審、判決は26日の予定。弁護人によると、高橋被告は「(藤山さんが死亡して)びっくりした。とんだことになった」と話しているという。
=2010/01/20付 西日本新聞朝刊=