
水俣病被害者救済法に基づく国の救済策への申請期限を判断するため、細野豪志環境相は29日、就任後初めて熊本県水俣市を訪れた。被害者団体との面会で「一部で(期限は)3月末という話が出ているが、適切でない」と述べ、期限を4月以降とする考えを明らかにした。これまで期限を明確にしてこなかったが、「3月末」では周知期間が短いことを理由に挙げた。一方「判断をいつまでも先延ばしにするべきではない」と語り、一部団体が要望する期限撤廃は否定した。
細野氏は慰霊碑に献花後、被害者11団体と面会。各団体からは「多くの被害者が残されており、期限設定は許されるべきではない」(水俣病不知火患者会)との声の一方、「すべて救済されたと思う。今後は福祉に力を入れてほしい」(水俣病被害者芦北の会)などの意見も出た。
これを受け、細野氏は地元などで浮上する3月末での締め切り説を否定。「目標を定め、集中的に被害者に申請してもらう状況をつくることが必要だ」と指摘。期限について「もう一度熟慮をした上で、しかるべきタイミングで判断させていただきたい」と話した。
差別や偏見などを避け、申請を躊躇(ちゅうちょ)しているとされる被害者について、細野氏は面会後の記者会見で「大事なことはそのような人が出ないようにすること。被害者団体の力も借りながら、しっかりと手を挙げていただけるよう努力していく」と述べた。
この後、細野氏は新潟市でも被害者団体と面会した。
=2012/01/30付 西日本新聞朝刊=